こんにちは、遊佐です。
今回のブログでは「エンツォボナフェ」のビットローファーを紹介します。
僕はローファーが大好きで色々なモデルを普段履いているのですが、ビットローファーだけは持っておらず、購入の機会をうかがっていました。
候補の選定は着々と進めていまして(といっても最初からほぼ2択でしたが)、ようやく決まり、予約の末に昨年末購入。
その後しばらく靴箱内に放置してここ2、3ヶ月でじっくりと履いてみたのですが、めちゃくちゃ気に入りました。
革靴好きの方ならボナフェのビットを検討している方は少なくないと思いますので、サイズ感やコーデなど参考になれば幸いです。
- enzo bonafe(エンツォボナフェ)の評判は?
- ビットローファーのサイズ感を知りたい
- トゥボラーレ製法とは?
【イタリア靴の名作】enzobonafe(エンツォボナフェ)のビットローファーをレビュー!サイズ感やコーデも紹介します
enzo bonafe
enzo bonafe(エンツォボナフェ)は1963年に創業したイタリアのシューメーカー。
ブランドの名前はそのまま創業者の名を冠しており、創業前はイタリア靴の名門テストーニで修行していました。
ボナフェの工房はこじんまりとしており、少数の職人が並々ならぬこだわりの詰まったハンドでゆっくりと時間をかけて一足の靴を作り上げますので、工場が完備されたブランドのように大量生産はできませんが、技術の粋が結晶化された見た目は芸術品のような仕上がりになっています。
創業以来多くの人を魅了し続けており、世界のVIPたちが顧客リストに名を連ねています。ローマ教皇ヨハネパウロ2世が愛用していたのも有名な話。
ハンドにこだわりを持つ工房とはいえ、頑固一徹に機械を否定しておらず、むしろ機械が適している作業には機械を割り当てます。これは効率化といういうよりも、純粋に製品のクオリティを高めるため。そして手が最適なところには絶対に手を。
その妥協なき最適化によって最高の靴が作られます。
ビットローファー
もうひとつの名作
ビットローファーと言えばグッチをイメージする人が多いと思います。名作と呼べる大定番モデルですが、今回ご紹介するボナフェのビットはいわば「もうひとつの名作」。
その人気ぶりは予約しないと激戦区サイズは手に入らないほどです。
では早速レビューに入ります。
煌めくカーフレザー。革質の良さがこれでもかと伝わってきます。
しっとりとしてソフトな質感で足馴染みが良い。今まで見たことないタイプのものです。
履き込んで柔らかくなるものと違って最初から柔らかいので、後述する製法と相まって慣らし運転不要で履きやすくなっています。
製法の特性上、コバが張り出しません。さらに流れるように曲線を描くアウトラインが繊麗な見た目を作ります。
美しいの一言に尽きる。
では、靴をぐるっと一周していきます。
曲線美で出来た靴とでも言いましょうか。
見入ってしまう数少ない靴の一つです。
曲線美はアウトソールからもわかります。
ヴィンテージスチール装着しています。
ホースビットに合わせてマットゴールドのものを選びました。見えないところですが、拘りたいポイントですね。
クラシックなビット
ホースビットがお気に入りポイントです。
マットで大きめのビットがクラシカル。
このサイズ感のホースビットは割と珍しく、大体はもう少し小ぶりなんですよね。
ホースビットが大きいといかにもデザインが損なわれそうなのですが、全くそんなことなく、むしろめちゃくちゃカッコいいじゃねーかと素直に思わされます。
実はボナフェを購入する際にちょっと迷ったのが、先ほど名作だと話したグッチのビットローファーでした。
元々ボナフェを買おうとはしていたものの、名作も捨て難いよなと。
そこで最大の決め手になったのがホースビットでした。
ちなみにボナフェはグッチのビットローファーを一時期作成していたことがあります。
トゥボラーレ製法
ボナフェの靴はハンドソーンのイメージが強いかもしれませんが、このローファーは「トゥボラーレ」というマッケイ製法の派生型で作られています。
通常はアッパーを上から木型に被せて釣り込んでいくのですが、トゥボラーレ製法では下から木型を包みこむのでアッパーが袋状になり、足が包み込まれるようなフィッティングが得られます。
また構造上、アッパーと中底が一体化しますので屈曲性に優れます。そして先述したようにこの靴の場合は革がとても柔らかいので、トゥボラーレ製法と相性良しというかトゥボラーレのための革とも言え、よく曲がってくれます。
そもそもマッケイ自体が返りに優れる製法で知られていますが、トゥボラーレ製法を使うと特に返りがよくなり、さらに先述したように包み込まれるような極上フィッティングが付いてくる。
返りが良いと、仮にかかとのフィットが緩くても、靴がかかとに追いてくるので、サイズ選びにおいてアドバンテージになる。
サイズ感
【管理人の足の特徴】
サイズ | 26センチ |
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特徴 |
幅広でやや甲高 |
僕はサイズ7を着用しています。
7Hと悩みました。久しぶりにめちゃくちゃ悩んだサイズ選び。
いわゆるタイトフィットで、最初は少し締め付け感がありましたが(とはいえ普通に履けるレベル)、2ヶ月ほど履き込んだ今では心地良いフィットになっています。
サイズ選びのポイントを押さえておきます。
基本的にはマッケイ製法なので、沈み込みがほぼありません。
つまりローファーだからと言って思考停止でタイトフィットを選ぶのは危険ということです。
僕はこれまで革靴をよく履いてきたので、ある程度はフィッティングの変化の予測はつくのですが、今回はセカンドオピニオンとして多方面から意見を集めました。
結果、この革はよく伸びるという意見が多く、個人的な考えも勘案し、サイズ7を選びました。
よく伸びるというのは全くその通りで、この記事を書くまでの2ヶ月間でよく伸び、今では快適な履き心地となっています。
ただしサイズ7hを選んでいても問題なかったと思います。ヒールのフィットは7と比べて甘くなりますが、先ほど話したようにトゥボラーレの靴はヒールがかかとに引っ付いてくるので、問題になりません。
参考までに他ブランドの着用サイズを載せておきます。
クロケット
※全てEウィズ。
LAST337(ハンドグレード) | サイズ7h |
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LAST341(ケントやコベントリーなど) | サイズ7 |
LAST348(ハラムなど) | サイズ7h |
LAST325(キャベンディッシュなど) | サイズ7 |
LAST375(キャベンディッシュ3など) | サイズ7h |
JMWESTON
180 | サイズ7D |
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golf | サイズ6/G |
チャーチ
LAST 173 | サイズ7h |
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ジョンロブ
LAST 4395 | サイズ7h |
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コーデ
TOPS:aton
PANTS: berwich
ビットローファーは装飾性が高いだけあって、ローファーの中でもカジュアルに使いやすいモデルです。となるとデニムやチノパン合わせがすんなりハマるのですが、スラックスを合わせてドレス方向へ行ってももいいですね。
ただしあんまりドレッシーにし過ぎないほうがいいので、写真みたいにカットソーさらっと合わせるくらいが程よい抜け感に繋がるかと。
TOPS:caban
PANTS:berwich
ビットのゴールドパーツがアクセントになるコーデ。
せっかくなので、ゴールドパーツに合うベルトを付けたい。
シューツリー
シューツリーにLA CORDONNERIE ANGLAISE(コルドヌリアングレーズ)のFA85Sを選びました。
良い具合にテンションがかかっており、理想的なシューツリーです。
ゴールドパーツがボナフェとよく似合う。
シューツリーが入った姿っていいですよね。
サイズは40を装着しています。
ローファーと相性がいいツリーなので、ボナフェ以外にもお薦めです。
ちなみに、これはコルドヌリアングレーズに限った話ではないのですが、シューツリーを入れたときにインソールのブランドタグに若干干渉するんですよね。
ツリーを入れたときに角の部分がタグの端に当たって、端が少し隆起しかけてしまう。
気にならない程度ではありますが。
まとめ
- enzobonafe(エンツォボナフェ)はハンドに並々ならぬこだわりをもつシューメーカー。その見た目は工芸品のよう。
- 代表作の一つがビットローファー。光沢のある革と流麗なアウトラインが美しい
- マットで大きめのホースビットがクラシックでデザインの要
- トゥボラーレ製法で作られているため、包み込まれるフィット感と返りの良さを味わえる
- 沈み込みはないが革はよく伸びる。サイズ感はタイトフィットもしくはジャストのどちらでも可。踵が緩くても足についてくるので問題ない
ボナフェのハンドソーンもいつか試してみたいですね。