こんにちは、遊佐です。
皆さんはファッションの流行に対して、どのように向き合っていますか?
- 積極的に取り入れている
- トレンドは知っており、自分に合えば取り入れる
- 流行りに乗らない、左右されたくない
皆さまざまだと思います。
さらにこんなことを聞いたことがあるかと思います。
「お洒落な人は流行に乗らない、流されない」
これを聞いて普通に納得しそうですが、分かったようで分からなくないですか?
何で流行に乗らなかったらお洒落なの?もしかして自分を持っているからってこと?
でも自分を持っている人は本当に流行に乗らないの?
・・・
・・・
てことで今回のブログでは、トレンド、流行りとは一体なんなのかというところを押さえた上で、流行りに乗らない人たちは本当にお洒落なのかということについて話していこうと思います。
- お洒落と流行の関係とは?
- お洒落とは何をもってお洒落なのか?
- 流行りには乗った方がいいの?
【ちょっと待った】流行りに乗らないファッションが本当にお洒落なの?
流行は同調
流行という言葉を日常生活で普通に使っているけれど、そもそも流行って何?どうやって起こるの?ということを考えたことはありますか?
流行とは社会心理学において「社会集団の中で、一定数の人たちが一定の期間、同じよう行動をとるように心理的に誘われること」と説明されます。
興味深いのは、「同じ行動をとってください」と直接的に働きかけされるわけではないということ。目に見えない社会心理の力が間接的に働くことであくまで自分がそうしたいと思うことです。
例えば「累計何万本突破」「口コミNo.1」「 あの人も絶賛」などのフレーズや、行列が出来てる店を見ると、安心感を覚えて我も続けとなるシーンは日常茶飯事ですよね。
そういう意味で流行りは同調の一種であり、仕掛け人がいるとはいえ流行自体を作っているのは同調した消費者たちということになります。
ちなみに同調が圧力になると、みんなと同じが正しい、違うことやっている人は間違っているといった正義中毒にかかった人たちが発生したりしますね。
同調と差異
イノベーター理論
さて、流行は同調の一種であると話しました。
ところで流行には始まりから終わりにかけて5つの段階があり、それぞれを定義したイノベーター理論というものがありますよね。
- イノベーター(革新者)
- アーリーアダプター(初期採用者)
- アーリーマジョリティ(前期追随者)
- レイトマジョリティ(後期追随者)
- ラガード(遅滞者)
なんか学校の授業みたいになってきました。
「今これが流行っているんだって」などという声が聞こえる時点で、もう三番目もしくは四番目の段階にさしかかっている頃。
このあたりで、流行に乗る乗らないの話になってきます。
ここまでの内容は学校で習ったり、どこかで聞いたことがあるという人もいると思います。
差異が必要
さて、ここからようやく本題。
ファッションにおいてお洒落かどうかというのは大切なことですよね。
そしてお洒落だと言われるには、当然ながら周りの人と比べて何か「差異」がないといけません。
この差異を流行軸で捉えた場合、アーリーマジョリティの時点ではもう時既に遅しで、なんとかして全体の10数パーセントと言われるアーリーアダプターに入っておかないと差異化できないんです。
ですがアーリーアダプターの段階では同調集団がまだ存在していないので、自分の価値観を頼りに自分だけがイノベーターに同調する必要があります。
よく流行に乗る人は自分を持っていないと言われますが、ことアーリーアダプターに関しては全くの逆で、自分を持っているからイノベーターに同調出来るんですよね。
例えばプリーツパンツが流行り出した(アーリーマジョリティ)のは2018年頃ですが、アーリーアダプターは2014年くらいにはすでに取り入れ始めていました。
確かに差異化が出来ていて、洒落て見えてたんですよね。
ただ今では普及し過ぎて「定着」の段階に達しています。こうなってくるともうプリーツパンツによる差異化は不可能ということになります。
ラガードもお洒落
また流行の最後列にいるラガードも遅滞者というありがたくない名前を付けられているものの、流行に乗っていないという点から同調集団との差異化が出来ていることになります。
ラガードには保守層、変化を嫌う層、流行に左右されたくない層などの人たちが入るため、マーケティング的にはターゲット外ですが、「お洒落」という観点で見ると強者がいることが少なくありません。
派手な柄物を着こなす個性派もいれば、中庸な格好をしている方、例えばプリーツパンツはいてない、オーバーサイズフィットではないなど、各要素で中央値を取るような格好をしている方ですね。
流行が生まれると、「新しい」「古い」の二つのグループが自然と出来上がるわけですが、ラガードはその時点においては「古い」グループにあたります。
「古い」はマイナスのイメージを持たれやすいものの、ファッションにおいて「古い」は「伝統」、場合によっては「定着」と捉えることができ、ラガード勢はそれらの価値をよく分かっています。なので「新しい」が「古い」に匹敵する価値を持っていると判断しない限り、飛びついたりすることはありません。
ただ少々頑固なところがあるので、個人的に惜しいなーと思うときもあります(余計なお世話ですよね)。
ということで、表題にある「流行りに乗らないファッションは本当にお洒落なのか」という問いに対しては、あくまで傾向ですがYESとなります。
同調集団
問題はというか、お洒落に一番遠いのがマジョリティ組。
外国人から「日本人は皆んな同じ格好をしているね」と言われる差異化ができていない層です。
マジョリティも最初は差異化を求めていたはずなのに、結果的に大きな同調集団の中核を成してしまっているという矛盾がなんだか虚しいですよね。
ちなみに簡単にお洒落になれるというキャッチフレーズを使うインフルエンサーたちがいらっしゃいますが、あれを真に受けると先に真に受けた人が大量にいるマジョリティ組に入ることになります。
60点ぐらいのスコアが出るファッションはできますが、当然差異化が出来ていないわけなので別段お洒落ではないんです。
でもこれでいいと思います。
というのもお洒落になる場合は、先に話した通りアーリーアダプターもしくはラガードに入る必要があるのですが、どちらの層も集団に影響されることなく自分自身の価値観に基づいて決断する必要がありますので、それなりの経験が必要になってきます。
つまり色んな服や着こなしをたくさん試してきているということ。
そのためにもまずはマジョリティに入って経験を積み、その後アーリーアダプターかラガードに向かうのが順当でしょう。
消費量も多く、疲れてしまうかもしれませんが、お洒落な人はここを乗り越えているような気がします。
僕はトレンドが好きだ
ちなみに僕自身はトレンドが好きでよくチェックするようにしていますし、自分のファッションにも取り入れるようにしています。
なぜトレンドを取り入れるかというと、シンプルに楽しいからです。
過去にこんな記事を書いたことがありました。
振り返ると僕はこれまでトレンドに対して斜に構えることなく、素直に前向きに反応してきたように思います。
スキニーが流行れば、スキニーを履き、スニーカーが流行ればスニーカーを履き、プリーツパンツが流行ればそれを履き、積極的にコーデに組み込んできました。
これまで消費してきた量は一般的な平均よりも高いと思います。
そして間違いなく「差異」も求めていますよ。
差異は空虚?
先に話したようにファッションは「新しい」と「古い」の二つのグループを明確に作り出し、グループ間に差異を発生させます。そして「古い」グループにいたくない人はこぞってトレンドを取り入れて「新しい」グループに入ろうとする。
ファッション業界、というかブランドはビジネスの観点からこの「差異的心理」を利用し、毎年のように新作、トレンドを発信して消費を拡大させようとしてきます。
人によっては流行やそれによって生まれる差異というものが空虚、くだらないものに感じるかもしれません。またそれによって「自分はトレンドに左右されたくない」という考えに行き着く人も少なくないと思います。
ですがその選択も裏を返せば人と違うことを選んでいるわけなので、それもまた「差異」を求めていることになります。
つまり誰も差異の世界から逃れることはできないということです。
トレンドは便利
トレンドに興味がないと言ってしまえばそれまでなのですが、トレンドはある程度は知り、使えるようにしておいた方がお洒落どうこうよりも、便利だと思います。
例えば買い物やコーデを組むときにか無地TシャツかボーダーTシャツかで迷っていたとします。
「うーん、どっちでもいいんだけど、ボーダーがトレンドだしボーダーにしよっと」
と、こんな風に選択の決め手になります。
色だってそう。
今女の子の間では緑×黒のカラーコーデが流行っており、街中でもよく見かけると思います。
あれだって別にオレンジ×黒でもいいわけですよ。でももし黒のパンツに合わせるトップスで緑か赤かで迷っていたとしたら、トレンドだし緑にしようかなということです。
トレンドは自分の軸さえしっかりと持っていれば振り回される、左右されるといったことはなく、むしろ効果的に機能するはず。
逆にいえばトレンドなんてその程度のものだとも言えますし、こっちが主体的に利用してやるつもりで相対すればいのかなと思います。
まとめ
- 流行は差異を生み、差異はお洒落を生む
- 差異化できている人は自分自身の価値観を持っており経験も豊富
- 流行の核を成す同調集団に入ると個性が消えるが、お洒落になるために必要なプロセスでもある
- 流行を知っていると選択の決め手が増えて何かと便利
伝統を重んじつつ、新しいものを積極的に取り入れることができる人はお洒落指数が特に高いように思います。ファッションに限らず柔軟性は持っておきたいですね。