こんにちは、遊佐です。
「コーディネートで最も重要なパートはズボンである」
僕が長年メンズファッションに傾倒する中で学んだことの一つです。
このブログでもいくつか記事を書き、その重要性を話してきました。
これら3つの記事はそれぞれ、
- ズボンがコーデにおいてなぜ重要なのか
- トレンドはズボンに現れる
- ズボンの種類はどんなものがあるのか
ということを解説しており、読んで頂くと「ズボンファースト」の考え方や取り組み方が分かるようになっています。
ズボンの重要性やその種類について知ると、今度は選び方です。
選び方の切り口は様々ありますが、今回のブログでは「かっこいい」ズボンと「おしゃれな」ズボンの違いについて書いていきたいと思います。
よくありがちな切り口は、お洒落なズボンかダサいズボンかという対極関係にあるものの比較ですが、今回はポジティブな意味を持つもの同士の比較になっているところがポイントです。
- 張り切って買ったズボンのウケがいまいちよろしくない
- 主観に偏ったファッションをしがち
- 「かっこいい」と「おしゃれ」の違いが分かっているようで分からない
「かっこいい」ズボンと「おしゃれな」ズボンの違いとは?
表現が異なる時
普段、何かを評する際に、「かっこいい」と言う時もあれば、「お洒落」と言う時もあったりと、別の形容詞を使っていることが往々にしてあるかと思います。「何か」という対象が人かモノなのかで意味合いも変わってくるのですが、今回の対象はモノ、ズボン。
かっこいいズボンだね。
お洒落なズボンだね。
言い方が異なるだけで大体同じ意味では?たまたま出た言葉が違っただけでしょと言う人もいるでしょうが、思い返すと僕自身は無意識ながらもこの二つの言葉を明確に使い分けていました。
なぜこの言葉の違いに注目するかというと、「かっこいいズボン」と「おしゃれなズボン」とでは見た目の印象、周りからの印象が大きく変わってくるからです。
そして「かっこいい」とか「お洒落」という言葉は、ファッションの世界においては特にその意味が曖昧になりがちなので、自分で言っておいて実はよく分かっていないということもきっと多いでしょう。
次項からはそれぞれの言い方について解説していき、なぜかっこいいズボンと言うのか、なぜオシャレなズボンと言うのかについて深掘っていきます。
かっこいいズボンとは?
「かっこいい」と評するズボンは以下の要素を持ち合わせることが多いです。
- 女性からの支持が高い
- 細身、スリム
- 無地
- シルエットが直線的
- 自然で受け入れやすい
- 保守的、時に物足りなさ
- 「スタイリッシュ」という言葉に置き換え可能
男性的とでも言いましょうか。
スリムなシルエットは「かっこいい」パンツの絶対条件だと思います。
シンプルであることも条件。
そしてシルエットと並んで、「かっこいい」パンツのもう一つの重要な要素が一般性。
洋服への興味があるなしに関わらない、老若男女問わない、多数派からの支持を得られるパンツ。
このパンツを見て「自分には穿けない」と感じる人は少ないと思う。それぐらい一般的な姿形。
有名ブランドで挙げると、インコテックスの100番やPTのスーパースリムがそれにあたります。
そして僕はこれらのズボンを見て、「かっこいい」と言うことはあっても「お洒落」とは言わない。
おしゃれなズボンとは?
「おしゃれ」と評するズボンは以下の要素を持ち合わせることが多いです。
- 女性からの支持が不安定
- 洋服好きからの支持が高い
- ゆったり目
- 丸みや曲線のシルエット
- 目に留まる、ユニーク
- 時に「エレガント」という言葉に置き換え可能
かっこいいズボンと違って一般性がなく、その時々のケースでしか通用しないことが多い。つまりウケがイマイチなことも少なくないということです。
そもそもお洒落と評されるということは、他と差異があるからなので、一般性がないのは当然と言えます。
具体的にどういうズボンかというと、プリーツパンツやワイドパンツが当てはまります。
文章より画像を見たほうが分かりやすいですね。
かっこいいズボンとは対象的で、このズボンを見て「自分には穿けない」「気恥ずかしくて穿けない」という人はけっこういるかと思います。
そしてやはり、こういうパンツを見て「かっこいいで」はなく、「お洒落」なズボンだと言う。
この手のズボンの代表格ブランドはベルウィッチでしょうか。
「お洒落なズボン」は 要注意
お洒落なズボンはお洒落に見られるとは限らない。むしろ見られないことの方が多いということを知っておいたほうがいいです。
例えばプリーツパンツ。
トレンド回帰から7年ほどが経ち、すっかり浸透したと思われがちですが、苦手で穿けないという人はまだまだ多い。
ぶっちゃけ穿いている人の方が圧倒的に少なく、洋服に興味のある人しか穿いてません。
つまりプリーツパンツ=おしゃれなズボンは、自分がおしゃれだと思っていていも、案外理解されていません。それだけ違和感のあるパンツなんです。
プリーツパンツが苦手な人に対して、今でこそ「なんで穿けないんだろ?おしゃれなのに」と思う人もいるかもしれませんが、思い返すと自分もかつてはそうだったということに気付くでしょう。昔は穿けたもんじゃないと思っていたはずです。
この感覚はプリーツパンツにハマり出した頃の人に特に多い。
なんでもそうですが、慣れると昔の感覚を忘れてしまい、当時自分が持っていた感覚を今まさに持っている人に共感できなくなるんです。
でも昔の自分はどうだったか今一度思い返してみるといいです。
「違和感しかない」
「自分にはおしゃれすぎる」
そして今、大多数の人は同じように思っているはず。
どこかの記事でも書きましたが、共感して欲しかったら相手の見方を理解しようとしたほうがいいです。それによって自分の考え方を変える必要は必ずしもないけれど、どう見られているぐらいは知っておいたほうがいい。知ってるか知らないかはまるで違うから。
この考え方を持つと、お洒落なズボンは自己満ズボンだということがわかるはずです。
そのかわり洋服に一定以上の知識や興味がある人からは、理解を超えて大いに共感を得られ、「お洒落なパンツだね」と言ってもらえます。
僕は「お洒落な」ズボンが好きでよく穿きますが、やはり客観的だけでなく一般的な評価を理解した上で穿いています。
まとめ
- 「かっこいい」ズボンと「おしゃれ」ズボンは別物
- 「かっこいい」ズボンは男性的なシルエットかつ一般性がある
- 「おしゃれ」ズボンはファッション好きからの支持は高いものの、一般性が低いため、自分は思っているほど周りからはお洒落だと思われていない
「かっこいい」ズボンも「おしゃれ」ズボンも内容こそ違いますが、どちらもポジティブな評価なので、周りからの見え方を意識、理解できるとよりファッションが楽しめると思います。