こんにちは、遊佐です。
鬼滅の刃ブームは一向に冷める気配がありませんね〜。
おかげさまで僕も大いにハマり、今でも漫画を何度か読み返しています。
キッズから大人まで幅広い層を取り込んだ鬼滅ブームですが、映画「鬼滅の刃」が大人になって初めてガチで観たアニメ作品だったという人も多かったのではないでしょうか。
そんな鬼滅の刃を観た人から先日「鬼滅の刃みたいなアニメって他にない?」と聞かれたので、即答で「BLOOD+(ブラッドプラス)」と答えました。
ブラッドプラスは2005年10月〜2006年9月の期間に土曜6時の人気枠で放映されていたアニメで、日本刀を振るう女子高生で話題になりました。
僕は放送当時にたまたま目にする機会があったものの、それっきりで終わってしまっていました。
ただ記憶には日本刀を振り回す女の子の映像が鮮烈に残っていたみたいで、数年後に社会人になってからふと思い出したんですよね。
すぐツタヤに走り一気見が始まります。
そして完全にハマってしまいました・・・。
今回の記事では話の核心に一切触れていませんが、あらすじや用語を解説していますので、少々のネタバレが含まれています。
とはいえ、本編を観るための予習みたいな感じなので全く問題ありません。
鬼滅の刃を観た人にオススメしたいアニメ「BLOOD+」(ちょこっとネタバレあり)
あらすじ
主人公の音無小夜(オトナシ サヤ)は沖縄コザの高校に通う一見普通の女子高生ですが、記憶が直近一年前までのものしかないという謎の一面を持ち合わせていました。
優しい家族や友達に囲まれながら幸せな日々を送っていましたが、突如現れた異形の生物との遭遇を機にサヤの日常は一変してしまいます。
サヤ、サヤに付き従う者、サヤの家族や仲間、そして宿敵。
それぞれの想いと覚悟が世代を超えて交錯し、やがて一つの結末を迎えます。
どんなアニメ?
異形の生物との戦いを描いたホラーアクション系アニメです。
50話に及ぶ長編アニメで、沖縄編、ベトナム編、ロシア編、イギリス編、アメリカ編という構成になっています。
ホラーとミステリーのバランスが絶妙で、150年以上に及ぶ謎が解き明かされていく様は見応えがありますね。
描写の仕方としては鬼滅の刃と同様に身体が欠損したり流血シーンがあったりと、耐性がない人にとってはかなり過激です。
ただそんな過激な内容に反して、作画や魅力的なキャラクター(特に男性)などの要因で男性だけでなく多くの女性視聴者を獲得しています。
またBLOOD+は主人公サヤの物語でもあります。
自分の存在意義や過去に犯した過ちに苦悩しながら、大切な人たちを守るために身を犠牲にしながら戦い続ける様は、孤独かつ壮絶。
時折穏やかなシーンが流れると、ホッとするほどです。
ちなみにBLOOD+には「blood the last vampire」という2000年に公開された前身作品があります。
ハリウッドからの評価がかなり高かったようで、特に「日本刀を振るう制服を着た女の子」という設定はクエンティン・タランティーノ監督に強烈なインスピレーションを与え、名作「kill bill」の誕生に繋がったと言われています。
鬼滅の刃と比べて
鬼滅の刃と似てるということで、物語の設定において鬼滅と似ているポイントとそうではないポイントを解説します。
似てるところ
- 異形の生物との戦い
- 刀(厳密には血)を使わないと倒せない
- 血分けによる眷属化
- 家族との絆
特に血分けによって自身の眷属にするあたりはよく似ていますね。
鬼滅の刃では無惨監督が鬼候補のスカウトによくお出かけしていましたが、本作品でもスカウト方式です。
ただ中には望まぬ血分けもあり、劇中屈指の絶望シーンとして登場します。
違うところ
- 技の名前や描写がない
- ギャグ性が全くない
- 時事ネタを絡める
- 「悪鬼滅殺」ではない
鬼滅と同様にバトルシーンが多いですが、「水の呼吸〜」などと一言放ってから斬りかかるという描写は一切ありません。
とはいえ、高速移動や超跳躍のシーンなど人間離れした動きはデフォルトです。
ギャグ性も一切なく、終始シリアスな展開が続きます。
沖縄米軍基地問題などの時事ネタを絡ませているので、アニメながらリアリティを感じさせる内容です。
そして最も違うといえる箇所が敵対関係。
互いに因縁こそあれ、鬼殺隊の原動力ともいえる「憎しみ」がBLOOD+では表立って描写されていません。
敵味方双方とも大切な人を守る為(ある種歪んだ愛情も散見されるが)に戦っており、悪鬼滅殺または鬼狩り皆殺しのように敵意剥き出しで戦うことが基本的にないんです。
唯一例外として、愛憎まっしぐらに突き進むサイコパスが約一名います。
対敵だけでなく人間関係そのものが複雑で、それに伴う愛や恐怖、そして人の業の深さの描かれ方にも注目です。
重要キーワード
物語を構成する重要なキーワードを紹介します。
翼手(よくしゅ)
人外の姿をした異形の生物。ある日沖縄の地に突如出現。
シュヴァリエ
いわゆる騎士で、サヤともう一人の人物にそれぞれ付き従う者。擬態能力や驚異的な身体能力を発揮する。
ボルドーの惨劇
全ての始まりの日。
1883年にフランス・ボルドーの地で起きた事件で、ある人物により多くの人たちが惨殺される。
動物園
世界中のあらゆる動植物が集められ、生物の進化についての研究がされていた場所。
「ボルドーの惨劇」により全焼。
赤い盾
ある人物を追い続ける集団。
物語序盤でサヤを監視している。
音楽
名作には名曲あり。
BLOOD+を語る上で音楽は欠かせません。
音楽担当
劇中の音楽を担当したのが、二人の外国人。
- ハンス・ジマー
- マーク・マンシーナ
ハンスジマー氏に関してはご存知の方も多いのではないでしょうか?
映画パイレーツオブカリビアンの音楽を担当したのが彼で、あの最も有名な曲は誰もが聴いたことがあるはずです。
他にもラストサムライやグラディエーター、インセプション、直近で007のノータイムトゥダイなど、枚挙にいとまがありません。
BLOOD+は二人がタッグを組んで音楽担当をした日本最初のアニメだったんです。
サヤの心情を描いた曲が多く、ストーリーと本当によくマッチしていました。
オープニングとエンディング
OPとEDでは豪華なアーティストが歴代主題歌を担当しています。
OP
- 青空のナミダ(高橋瞳)
- SEASON'S CALL(HYDE)
- Colors of the Heart(TAKUYA)
- 雷音(ジン)
ED
- 語り継ぐこと(元ちとせ)
- CRY NO MORE(中島美嘉 )
- This Love(アンジェラアキ)
- Brand New Map (K)
知名度では劣っていたかもしれませんが、初期OP曲「青空のナミダ」は一番印象に残っていて、アニメは観たことないけとこの曲聴いたことあるかもという人もけっこういるようです。
「悔やみたくないよ生まれたこと」という歌詞は主人公サヤの心情とリンクしていますね。
また初期ED曲である元ちとせの「語り継ぐこと」の歌詞はBLOOD+を表現しているかのような内容で、最終話まで密接に物語と関わっていました。
まとめ
- ホラーとミステリーのバランスが絶妙で、謎が解き明かされていく様が面白い
- ギャグ性一切なしで、終始シリアスなストーリー
- 魅力的なキャラクターが多数登場し、正負の感情が入り混じった複雑な関係性を展開
- 偉大な音楽プロデューサーと豪華アーティストによる音楽制作
クレヨンしんちゃんの野原しんのすけの声優を務める我らが矢野晶子先生が、主要人物2人の声をお一人でこなす鬼才っぷりを披露していますので、そのあたりもお楽しみに!