こんにちは、遊佐です。
J.M.WESTONの靴レビューを過去いくつか書いてきましたが、多くの方に読んでいただいており、改めてウエストン人気の高さがうかがえます。
ウエストンの靴を購入された方が気になっている点の一つに、リペアサービスを受けるか否かというものがあります。
なぜ気にするかというと、一度社外で修理すると以降はメーカーで修理を受け付けてもらえなくなるからです。
じゃあ純正でやろうかと言いたいところですが、今度はその価格がネックになってくるという、板挟み状態に陥る人多数。
そこで今回のブログでは、僕なりにウエストンのシューズリペアに対する見解を話していきたいと思います。
ちなみに僕は社外修理でやっています。
- J.M.WESTON(ジェイエムウェストン)の修理が高い
- 靴修理はメーカー純正でやるべきか?メーカー修理のメリットは?
- 社外修理のメリットは?
【修理代高い?】J.M.WESTONのシューズリペアについて。メーカー純正修理か社外修理かどちらを選ぶ?
リペアサービスの内容
修理の前提として
- 本国ではなく国内認定工場にて修理
- 社外修理品は受付けない
本国リモージュの工場ではなくメーカーに認定された工場で修理されます。これは靴に限らず海外メーカーでは普通というかよくあるフローです。
そして社外で一度でも修理した場合、メーカー修理を受けられません。社外パーツが使われた状態での修理はメーカー基準を満たせない可能性があるということですが、このフローも靴に限らずよくあるものです。
次に主な修理項目を相場と比較してみます。
【オールソール】
料金37,400円〜
期間2ヶ月〜
※備考
自社タナリーのソールを使用。
オープンチャネル仕様。
価格は相場の約2倍。
ソールの原価、国内認定工場の加工賃がそれぞれどの程度かわかりませんが、純粋に相場比較するとかなり高い料金設定。オリジナルのソールは耐久性が高いという話ですが、どの程度耐久性が高いのか数値化することができないため実感するのが難しく、結局は使用頻度に依存する。
個人的に気になるのは、オープンチャネル仕様になってしまうこと。例えば180のチャネルはヒドゥンチャネル(縦ドブ)だが、これがオープンチャネルに変更されてしまいます。見えない箇所とはいえ、ここは企業としてこだわれるのではないだろうか?
逆に街のリペア工房に持っていったら、料金増しですが縦ドブ注文ができたりと、ウエストン仕様のようなソールを再現できるので、むしろこっちに頼みたくなる。
期間も相場の少なくとも2倍はとられています。
【つま先補強】
料金8,250円〜
期間1ヶ月から〜
価格は相場よりも1.3倍から2倍くらい。
ネックは1ヶ月という期間の長さです。
街のリペアショップに行くと大体1時間でやってくれます。
【ヒール交換】
料金8,250円
期間1ヶ月〜
価格は相場よりも高め。
ネックはつま先補強同様に1ヶ月という期間。
街のリペアショップに行くと大体1時間でやってくれます。
各項目の価格や期間を見ていると、相場との大きな隔たりがあり、かつそれに見合った実利があるのか疑問のため、メーカー修理を躊躇してしまいます。かといって社外修理をすると二度とメーカー修理ができなくなる。
メーカー修理ができなくなるなんて言われると、とりあえず無加工で履き続けてその時が来てから考えようという方も少なくないでしょう。
靴修理に純正を求めるか?
身も蓋もない言い方をすると、価格が高い、期間が長いと感じるかどうかは人それぞれ。
例えば履く靴がたくさんあれば、仮に2ヶ月預けてもなんら困ることはなく、気がつけば2ヶ月経っていたぐらいのスタンスでいられると思います。
価格に関しても割高なのか割安なのか妥当なのか、各人が持つ指標で判断するのみ。
そして割高でも支払いたいと思えばそうすればいいというだけの話です。
割高でも支払いたいと思うということは、純正にこだわりたいということなのですが、では純正修理の価値とは何なのか?
先ほども触れたように純正修理のメリットは物理的な面では実感しにくい。
これは修理専門店の技術が高いということでもあります。彼らのリペア技術というのは本当に素晴らしく、いつも気持ちいいくらいに仕上がってきます。技術以外にも対応力も高く、オリジナル同様に仕上げてくれるのはもちろん、気の利いた仕様にもしてくれます。
一方でメーカー修理は、そのオーダー内容が定型なので細かなオーダーには対応していません。ソールのチャネルがいい例です。純正価値を訴求するのであるならばディテールの再現にはもっとこだわってもいいと思う。
一つルールを決めてそれを修理の指針とするのは格式を保てるのですが、率直に物理的な面では修理専門店の方がメリットが高いと思っています。
製作と修理は別物ということです。
こうなってくると純正であることのメリットはもう自己満足を得るということに尽きると思います。この修理パーツは純正であるという自己満足。
自己満足はファッションを愛する人にとっては付随してくるものですし、さらに所有欲を満たしたい人にとっても重要な要素ですし、個人的にも純正という言葉は常に惹かれます。
純正シューツリーを購入するのもまさにそういうことで、社外品でも事足りるアイテムにも関わらず高価格の純正品を求めるのは自己満足によるもの。靴にセットしたときの姿込みでウエストンだろという世界観では、デザインの上で社外品では代替できないということです。
さらに別の観点では、「J.M.WESTONヴィンテージ」という商品または取り組みです。
対象モデルを対象店舗で下取りし、それをリモージュ工場で整備してからウエストンビンテージとして再販します。古着を買取って付加価値を付けて販売するという取り組みで、お値打ちであることやお宝探し感、そしてサステナブルな要素が詰まっています。
下取りの際の条件に「社外修理がされていないこと」とあるのがポイントで、純正修理はヴィンテージプロジェクトに欠かせないフローでもあるということです。
消費者がヴィンテージプロジェクトを支援するためにJ.M.WESTONに運命共同体として関わっていくという大義名分を付けるのであれば、メーカー修理一択となります。
個人的には?
僕自身はどうかというと、社外修理でやっています。
180に関しては購入後に修理屋に行き、つま先補強でスチールをつけています。
先の話でいうと、純正修理の魅力は確かにあるのだが、それ以上に修理専門店の技術力、対応力に価値を感じるということです。
修理に求める要素は、クオリティ、納期、価格。
専門店はこれらを十分に満たしており、さらに細かな対応、提案力は付加価値となっています。ちょっとした汚れなどのクリーニングも当たり前のようにやってくれていますし。
当たり前のことを当たり前にやってくれて、かつその基準が高い仕事には好感を持てます。
メーカー修理に今後期待したいのは、修理したいともっと思わせてくれるような付加価値の創造です。
一つ誤解してほしくないのは、決して社外リペアをすすめているわけではないということ。僕はウエストンの純正リペアを試したことがないですが、その分を割り引いたとしても、修理専門店に任せようと決めたということです。
まとめ
- J.M.WESTONのリペサービスを利用するかどうかは、自分が自己満足できるかどうかを指針にする。さらに社外サービスで純正価値を代替できるのかを問うてみる。
- ソールのチャネルはヒドゥンからオープン仕様になるので注意。
- 修理専門店を大いに比較対象にすべし。対応力も含めるとメーカー修理のクオリティを実質上回ることも
いちブロガーとしては純正リペアを試してみたいので、次回購入するモデルを割り当てたいとは思いますがあくまでも実験の一環で、いち消費者としては修理専門店で十分かなと。