こんにちは、遊佐です。
久しぶりに時計ネタです。
僕はIWC大好き人間で、これまでにいくつかレビュー記事をあげてきました。
時折り画像を差し込んでいたので、気付いている人もいるかもですが、実は1年半前にマーク17を18へと入れ替えました。
レビューしようと思いながらここまで引っ張ってしまい、その間に最新の20が発売されていましたw
ということで今回のブログではレビューと共に、前作17との違いについても触れていきたいと思います。
- マーク18の評判は?
- かっこいい?安っぽい?
- パイロットウォッチがほしい
【安っぽい?】IWCマーク18をレビュー!17から乗り換えまして1年半が経ちました。
簡素と秩序
僕が初めてMARKの時計を手にしたのが2014年。
2代に渡って使い続けて約9年経ちましたが、こんなにも「気分が高揚しない」時計というのも珍しい。
9年も経ったらそりゃそうだろと思う人もいるでしょうが、なんなら初めて購入した時ですら、そこまでテンションが上がりませんでした。ややもすれば退屈に思えてしまいかねない簡素なデザイン故の反応だと思います。
ですが何気なく腕につけたMARKを見た時に、「カッコいい・・・」とじわっときまして、これがMARKの魅力なんだなと感じたのを今でも覚えています。
言うなれば、学校のクラスにいる華やかな人気イケメン男子ではなく、愛想なしで地味だけどふとした時にクールな横顔を見せる奴です。
まあ簡素なデザインですね。
軍用品がルーツなだけあってインデックスはプリントだったりと、別段高級感のある仕様にもなっていません。
時計に興味がない人からは、あっさりし過ぎていて価格の割に安っぽいなどという声が出ることも。
ですがそんな中で唯一無二の美しい秩序を打ち立てており、それがMARKの個性となっています。
MARKの登場からもう70年以上経ちましたが、新しいモデルに生まれ変わってもその個性は連綿と受け継がれ、偉大な歴史を作り上げてきました。
時計は嗜好品。
それ故、何をもって自分にとって価値があるとするのかは本当に人それぞれですが、僕にとってのMARKは何気ない日常に自ずから寄り添ってくれる奥ゆかしい時計です。
MARKに限らずIWC好きの人は、嗜好が似ています。偏愛マップを交換してみると面白いかもしれませんね。
MARK18
セリタ製ムーブメント
18モデルにはムーブメントの違いで前期、後期型に分けられてます。
前期型には「ETA社2892A2」をベースにしたCAL.30110。これはマーク16から使用されているものですね。後期型には「セリタ社SW300」をベースにしたCAL.35111が使用されています。
IWCは長らくETA社のエボージュを使ってきたわけですが、スウォッチグループからの供給停止をうけ、セリタ社のものへシフトしたという経緯です。SW300は2892A2の代替として開発されましたので、載せ替えはスムーズに行われました。
セリタに切り替わった当初こそ、その歴史の浅さや知名度の低さが災いし、ETAの下位互換という認識が強かったです。しかしその実力が確かなものということが分かり、その後の改善を経て、今では汎用ムーブの新定番という位置付けになってきています。
ETAのエボージュ供給停止は各ブランドが青ざめる事態を招いたものの、事態を打開するために自社ムーブメントの開発やセリタ社の台頭が促され、結果的に市場が活性化することになりました。
IWCが属するリシュモングループもグループ内で共有できるムーブメントを傘下のヴァルフルリエに作らせ、最新作のマーク20はこのムーブメントを自社製として使用しています。
デザイン変更
マーク17から18にモデルチェンジする際に、いくつかのデザイン変更が入りました。
- デイトが1日表示になり、赤のインジケーターがなくなる
- 6時、9時の数字インデックスが復活。
- 3時、6時、9時のバーインデックスが短くなり、長さが統一される。
- 12時のトライアングルが内側に寄り、バーインデックスが出現。
- ケースサイズが1mm小さくなった
まとめると変化の要点は3つ。
【シンプルになった】
一番大きな変化はデイトのデザインが変わったことです。
1日表示になったことで盤面がスッキリしました。赤のインジケーターがなくなり白黒の完全2色構成になったことでミニマルな雰囲気に。
ケースサイズが1mm小さくなったことも相まって、落ちついた印象になりました。
見方を変えると大人しくなったとも。
【基本デザインの変化】
インデックスの数字が復活したり、バーの長さが統一されたり、トライアングルの位置が変わったりしていますが、これらの変化を統合して見るとデザインコンセプトが変わっているのが分かります。
マーク17は12時、3時、6時、9時位置が反復要素になって、一つの組織になっています。
マーク18は6時、9時の数字インデックスが復活し、さらにトラインアングルの位置が内側に入ったことで、円環が強調されています。
マークの個性はそのままでも両者のデザインコンセプトは全く別物です。
あとはベルトですかね。
革靴で知られるサントー二製のカーフが使われています。
ただ僕はこのベルトをほとんど使っておらず、年中ナイロンストラップを使用していますね。
個人的には前作のクロコの方が好みだったかな。
デイト位置
マーク16以降、長らく批評のポイントになっているのがデイトの位置。
そもそもデイトを使うダイアルのデザインは、デイトをインデックスに合わせて円環配置するのが一般的ですが、その点で考えるとマーク18の場合は内側に寄りすぎているということになります。
とりわけ名作と謳われるマーク15の場合は、デイト位置が数字インデックスに合わせて綺麗に円環配置されていますので、そのデザインが基準となって指摘が入るんですね。
ただデイト位置(中心からの距離)はムーブメントの設計時点で決まっているので、カスタムするにしても自由に動かすのがおそらく難しい。
にも関わらず、わざわざデイト位置を変えるということは相応の理由があるということになるのですが、デイト位置はムーブメントやダイアルのデザインといった要因が絡んできますので、何が理由でデイト位置が変わったのかが正直分かりません。
ですがデイトを円環組織から意図的に外そうとしたのは分かります。
マーク15の時までは白だった背景色を黒にしており、文字は数字インデックスと対照的に細め。そして円環ポジションから分かりやすいくらいに離すことで、円環組織から外して、ロゴとモデル名との繋がりを強調しています。
逆に円環組織の方はバーインデックスの長さを統一させて、数字を復活させて、トライアングルを内側に寄せることで、今まで以上に円環が強調されたデザインに。
このように見ると、マーク18は組織のコントラストが分かりやすいダイアルデザインになっていますね。
MARK17の場合はデイトを計器のようにデザインしていますので、デイトだけで一つの組織になっています。
また視点を変えると、MARK17もMARK18もデイトをデイトのように見せないデザインにしていることもうかがえます。
マーク16以降のデザインは古参の方々からするとあまり評判が良くなかったりもするのですが、僕はマーク17からの歴浅ファンということもあり、近年のデザインの方が好みなんですよね。
まとめ
- IWCのマークシリーズは個性を愉しむ
- 前期型には「ETA社2892A2」をベースにしたCAL.30110。後期型には「セリタ社SW300」をベースにしたCAL.35111が使用されている
- マーク18は前作に比べてシンプルで落ちついたデザインになり、ケースサイズも小さくなったことで、ドレスライクに用いやすくなった
最新のマーク20に買い替えることはまずありませんが、以降にユニークなデザインが登場するのを楽しみにしたいですね。