こんにちは、遊佐です。
久しぶりにダッフルコートを買い替えました。
インバーティアです。
ずっとグレンフェルを愛用していたのですが、購入から5年ほど経ち、サイズ感を変えたいなと思っていたところでした。
ダッフルコートといえば、グレンフェル、グローバーオール、インバーティアの3つがまず思い浮かぶのですが、今回のブログでは、その3つの中でも近年最も人気とも言えるかもしれないインバーティアのダッフルコートの魅力を余すことなく紹介していこうと思います。
- INVERTERE(インバーティア)の評判は?
- ダッフルコートのサイズ感が知りたい
- ウールのコートが欲しい
【エレガント仕様】INVERTERE(インバーティア)のダッフルコートをレビュー!サイズ感やコーデも紹介します。
INVERTERE
INVERTERE(インバーティア)は1904年にイギリスのデボンで創業された老舗コートブランドです。ラテン語で「ぐるりと向きを変える」という意味のブランド名なのですが、その名が示す通り今では当たり前に見るリバーシブルコートを初めて作ったのがインバーティアなんですね。
インバーティアといえばダッフルコートをイメージされる方が多いでしょう。
ムーアブルック社という生地メーカーの傘下に入ってから、同社の生地を使って製造したものをエルメスに納品していたこともあり、いわゆる高級メゾンファクトリーとしての高い実績を残しています。
ムーアブルック社が倒産して以降はインバーティアも一度姿を消すのですが、2013年に復活を遂げ、今では改めてダッフルコートの筆頭ブランドとしての地位を確立しています。
クラシック好きな僕にとって絶妙なところを突いてくれるブランド。決して安くない価格帯ではありますが、それに見合う魅力が詰まっています。
名作ダッフルコート
- 肩幅が大きくとられたドロップショルダー
- 身幅は約66センチのゆったり目
- 着丈は100数㎝で膝がかくれるくらい
がばっと羽織って、ゆったりと丸いシルエットが出るエレガントなデザインが特徴です。
数年前にダッフルコートが流行ったときがあったのですが、その頃は細身シルエットのものがスタンダードでした。というのも元々ダッフルコートは野暮ったくて苦手と感じる人が少なくなかったので、それを細身にしてイケメン仕様にするという手法が取られたんですよね。
ですが一方でダッフルコートが従来持っていたクラシックさが薄れて、エレガントという大人の男性にとって不可欠なスタイルを表現出来なくなっていました。
ですがこのインバーティアのモデルはそのクラシック、エレガントに焦点が置かれており、原点回帰しています。
実はこれBEAMS別注のもので、インラインには存在しません。
オンラインで在庫を見る限りほとんどの色がストックアウトしていますね。僕はまだ暑い時期に仕込んでおいたので入手できましたが、相当な人気ぶりです。
その人気を支えている理由かどうかは分かりませんが、ディテールにヴィンテージエルメスの名残を見ることができるんですよね。
そのあたりを踏まえながら、細部をご覧下さい。
レザーループに本水牛のトグル。
本格ダッフルコートとしては大前提の仕様ですね。
僕が以前持っていたダッフルはループ留め具が細いタイプのものでしたが、今回は画像のような三角形状。
細いタイプのものが主流ですが、先述したようにデザインコンセプトに必要なディテールになっています。
ボタンも同様に本水牛。
インラインのものは白のブランド刻印が入っているのですが、別注で刻印無しに切り替えられています。当時の雰囲気を再現する重要なデザインですね。
個人的に気に入ったのがベント付きのデザイン。しかも英国っぽくサイドベンツです。
ボタンで留める仕様になっており、好みでアジャストできるようになっています。
ダッフルコートにサイドベンツ。エレガントな仕様ですね。
襟付きで、フードは着脱式。
ダッフルコートは襟がなくてフード一体型になっているものが多いので、このタイプは最近では珍しいですね。
面白いのは試着してすぐには襟があることに気が付かなかったということ。
めちゃくちゃ気に入って鏡を見ながら細部を見ていたら、「あ、これ襟付きだわ」という次第です。
なんていいますか。エスプリを感じるディテールです。
贅沢にフルライニング。
ダッフルコートはアンライニングのものが多いので、なんだか新鮮です。
最近のアウターはアンライニングのものを着ることが多かったので、ライニング付きは着やすいなと改めて感じました。
ゆったり目のシルエット、レザーループ、襟付き、サイドベンツ、フルライニングと、見れば見るほど昔のインバーティア謹製エルメスダッフルを彷彿とさせます。クラシックさを残しつつエレガント路線に振った素晴らしいデザインです。
ジョシュアエリス
生地は織り目が美しいパイルカットのウールヘリンボーン。英国の老舗高級生地メーカー「ジョシュアエリス」のものが使われています。
英国生地といえば目の詰まった硬い風合いが特徴的ですが、こちらのものはフワッと柔らかく、良い意味で英国らしくない。ダッフルらしく肉厚ではあるものの、柔和な印象のある生地で、コートのエレガントな雰囲気を構成する重要な要素になっています。
インバーティアを語る上で、このジョシュアエリスの存在は欠かせません。
時代を遡ると元々インバーティアの生地にはムーアブルックという老舗生地メーカーのものが使われていたんですね。ムーアブルックはダッフルコートの生地として各メーカーから引っ張りだこで、取引先にはメゾン系も名を連ねていました。そのうちの一つがエルメスで、製造は当時ムーアブルック傘下にいたインバーティアが手がけていました。
ですが安価品の波に飲まれてしまい、高級品、嗜好品であったムーアブルックは倒産してしまいます。
その後、ジョシュアエリスがムーアブルックが使っていた織り機を買い取り、当時の生地を復刻させることに成功します。とはいえ全く同じというわけにはいかないと思うので、同等という表現が妥当かと思います。
ちなみにこの織り機、世界に3、4台しかないという貴重なもの。ジョシュアエリス生地のダッフルがいかに価値があるかという指標になりますね。
生地自体の重みはしっかりとあり、手に持ったときの重量感はそれなりにあるのですが、着てみると不思議なことに相対的な軽さをしっかりと感じることができます。
これはインバーティアダッフルの大きな強みだと思います。
コーデ
INNER:drumohr
PANTS:stein
SHOES:pellico sunny
クラシックをベースにしつつ硬くなりすぎないように適度に力を抜くコーデ。
インバーティアのデザイン意図を素直に汲んでコーデすると、自然とリラックス感のあるコーデになると思います。
グレンチェックパンツをダッフルコートに合わせるのは昔から好きなんですよね。
このSTEINのものは重宝しています。2プリーツのワイドテーパードシルエットです。
ダッフルコートのモノトーンコーデ自体は昔から好きですが、以前のものと比べると内容がまた違ってきています。
グレンフェルのダッフルを使っていた頃のコーデですが、細身でミドル丈だったので同じようなコーデでも雰囲気が違いますね。パンツも細身ですし。
これはこれで好きですが、少し時代性がありますね。
サイズ感
172センチ、57kgの僕はsize40を着用しています。
インバーティアは以前にナイロンジャケットを購入しているのですが、それもsize40。
普段のコート選びと比較すると、インバーティアに関しては1サイズ上を選んでいる状況です。
特にダッフルに関してはクラシックに着たいということもあり、ゆったり目のサイズ選びにしています。元々ゆったりめに作られているモデルですが、着丈がもう少し欲しかったので、そのあたりも勘案しています。
先ほども話しましたが、少し前までのダッフルコートは身幅を少し絞ったり着丈も膝上という仕様で作られていることが多かったんですね。それはそれで良かったのですがクラシックさに欠けるなとも感じていた次第です。
細身でシュッとしたものよりも、ゆったり目に羽織るくらいがエレガントに感じるようになってきました。
ただし僕と同じ体型でもsize38を選んでいる人も普通にいますので、そのあたりは好みでいいと思います。
まとめ
- INVERTERE(インバーティア)は老舗コートブランド。特にダッフルコートの知名度が高い
- 老舗高級生地メーカー「ジョシュアエリス」の生地が使われている。インバーティアとジョシュアエリスは一心同体。
- 肉厚で柔らかい風合いの生地。重量はそれなりにあるが着ると軽いので、そのギャップに驚く。
- BEAMS別注のモデルは特にクラシックでエレガントなデザインになっている。ヴィンテージのエルメスダッフルを彷彿とさせ、インバーティアの歴史をなぞっている
インバーティアのダッフルコートは商品価値そのものに加えて、一際高い付加価値が乗っているのがよく分かります。こういう洋服はやはり楽しい。