こんにちは、遊佐です。
今回は過去一履きやすいと唸っているF.LLI Giacometti(フラテッリジャコメッティ)のローファーをレビューします。
購入してから既に何回も履いていますが、とても履きやすく気に入っています。
また、意匠の点についても感嘆することが多く、総じて満足度の高い靴です。
ぜひローファー好きの方におすすめしたい一足だと思いますので、最後まで読んで頂けましたら幸いです。
いつも通りレビューに加えてサイズ感やコーデについても言及しています。
- F.LLI Giacometti(フラテッリジャコメッティ)の評判は?
- ローファーの履き心地やサイズ感は?
- お洒落なローファーが欲しい
【完璧かもしれない】F.LLI Giacometti(フラテッリジャコメッティ)のローファーをレビュー!サイズ感も解説します。
F.LLI Giacometti
F.LLI Giacometti(フラテッリジャコメッティ)はイタリアのヴェネト州にあるシューズブランド。母体はOEMを生業としているファクトリーであり、オリジナルブランドとしてジャコメッティをスタートさせています。
F.LLI Giacomettiはイタリア語でジャコメッティ兄弟のことで、兄のルイジーノと弟のロベルトでブランドを運営していますが、そもそもは祖父が1890年代に靴工房を開いたのが始まり。この地域には登山靴などのスポーツシューズを作るメーカーが多かったのですが、そんな中でジャコメッティだけが紳士靴の道へ進むことになり、今では高級革靴メーカーへと成長しました。
ハンドメイドのクオリティの高さは業界でも評判で、多くの靴メーカーが生産を依頼しています。
ジャコメッティの靴はいわゆる高級革靴のカテゴリーに入るのですが、他ブランドと比べて立ち位置が少し特殊かもしれません。
例えば著名な英国靴ブランドがインポート系のセレクトショップで取り扱われることが多い中で、ジャコメッティはドメスのセレクトショップで取り扱いされていたり、大手だとBEAMSのインターナショナルギャラリーにあったりします。
これはつまりジャコメッティの靴が、その他のブランドのようにクラシックあるいはトラッド御用達のお堅い革靴として捉えられていないということです。
もちろんクラシックスタイルの足元としてはまるのですが、それだけにとどまらず、幅広いコーデ、ボーダーレスなコーデにはまる現代的なデザイン性を持っているということですね。
美しいローファー
秀逸な木型
今回ご紹介するローファーの肝は、とにもかくにも木型、フォルムです。
使われている木型はLUIGINOと呼ばれる「FG257」。
この形が本当に素晴らしくて、クラシックな丸みがありながら、ほんの少しノーズを長くして現代的に仕上げているんですよね。
フィッティングも素晴らしい。
トゥは包み込むような柔らかさがあり、ウェストから踵にかけてはきゅっと締まっている。
全体のバランスが良いんです。日本人と相性がきっといいはず。一体が誰がこんなうまいことやったんだというレベルの設計で、これは日本人が絡んでいてもおかしくなさそうです。
それでは細部を見ていきましょう。
まずは革質がめちゃくちゃいいということ。
デュプイ社の最高峰「アニローカーフ」が使われており、きめ細やかで美しい光沢を放ちます。これはエイジングさせるのが楽しみ。
T.MOROというダークブラウンの色味も良いんですよね。
ソールはヒドゥンチャネル。
ヴィンテージスチールはゴールドタイプのものを付けました。
踵の角度が大きめで立体感があります。手持ちのローファーの中でも明らかに角度がついており、横からの姿が実にエレガント。踵のホールドにも繋がるデザインです。
ちなみにシューツリーは純正の販売がないので、コルドヌリアングレーズのものを選びました。
純正がない時には、このメーカーのシューツリーが活躍しますね。
秀逸なステッチワーク
モカ部分はスキンステッチ。
靴好きにはたまらないハンドによる意匠で、めちゃくちゃ綺麗に仕上がっています。
ベロ部分のステッチは系の太さを変えたトリプルステッチ。
トップラインはダブルステッチで、ここも系の太さを変えてある。
ステッチワークのこだわりの意匠が各所に散りばめられており、さりげないディテールながら独特の雰囲気を醸し出しています。言うまでもないですが、ステッチが超絶綺麗という卓越した職人技術があるからこそ成せるディテールです。
ジャコメッティの靴って、良い意味でイタリア靴らしくないんですよね。確かにイタリアらしい色艶感があるのですが、質実剛健な重厚感もありと、軽いのか重いのかよく分からない不思議な靴なんです。ハンガリーの靴「ヴァーシュ」の雰囲気とちょっと似てるかも。
ハンドソーン
この靴はハンドソーン製法で作られているのですが、本当に履きやすい。
マッケイのように返りがよくて軽く、慣らし運転の必要がありません。
まるでスニーカーのように足に馴染む感覚は、これまで色々な革靴を履いてきた中で初めてでした。
他にジャコメッティのシングルモンクも所有していますが、こっちのローファーの方が足との一体感がより高く、過去一素晴らしいフィッティングとなっています。
ハンドソーン製法やステッチなどの細やかな意匠、ハイクオリティな革質。これで12万円台です。履きやすさ◎、デザイン性◎、革質◎。コスパ高すぎでしょ。
コーデ
ベージュ系のトップスに白パンときたら、あとは茶靴を素直に合わせるだけ。
これくらい濃い色味の茶靴は本当に使いやすいですね。
この春夏は多用しそうなコーデです。
良い色、そしてフォルム。
これは・・・色ち買い案件です。
サイズ感
【管理人の足の特徴】
サイズ | 26センチ |
---|---|
特徴 |
幅広でやや甲高 |
木型FG257、サイズ41を着用。
どんぴしゃです。
ちなみに同じくジャコメッティのシングルモンク【FG498】もサイズ41を着用しています。
ジャコメッティ以外のサイズ感についても以下に記載しておきます。
CROCKETT & JONES
※全てEウィズ。
LAST337(ハンドグレード) | サイズ7h |
---|---|
LAST341(ケントやコベントリーなど) | サイズ7 |
LAST348(ハラムなど) | サイズ7h |
LAST325(キャベンディッシュなど) | サイズ7 |
LAST375(キャベンディッシュ3など) | サイズ7h |
CHURCH’S
LAST 173 | サイズ7h |
---|
JOHNLOBB
LAST 4395 | サイズ7h |
---|
J.M. WESTON
GOLF | サイズ6/E |
---|---|
180 | サイズ6/D |
ENZOBONAFE
ビットローファー | サイズ7 |
---|
まとめ
- F.LLI Giacometti(フラテッリジャコメッティ)はエレガントさと履きやすさ、素材の上質さ、そしてコスパを併せ持った良心ブランド
- 木型FG257が秀逸。ほんのりノーズ長めで丸みのあるトゥがエレガント。
- ハンドソーンによる返りの良さ。最初からとても履きやすい。かかとはしっかりとホールドされている。
- モカのスキンステッチはもちろん、ベロやトップリフトのステッチワークが秀逸で、さりげない意匠となっている。
- デュプイ社の「アニローカーフ」が使用されており、きめ細やかで美しい光沢を堪能
タイトル通り、完璧なローファーかもしれません。