こんにちは、遊佐です。
今回は英国靴ブランド「チャーチ」の三大ドレスシューズモデル「コンサル」「ディプロマット」「チェットウィンド」を紹介していきます。
それぞれ役割がはっきりとしたモデルなので、ご自身の用途に合ったものを選ぶ際の参考にしてもらえると幸いです。
革靴ブランドがたくさんある中、僕はこのチャーチが一番好きです。
- チャーチの人気モデルを比較したい
- スーツスタイルが好きだ
- カジュアルスタイルに合う革靴を知りたい
【大定番】チャーチの三大ドレスシューズ「コンサル」「ディプロマット」「チェットウィンド」を紹介
チャーチ
Church's(チャーチ)は1873年に靴の聖地であるイギリスのノーサンプトンで創業。
英国靴らしくグッドイヤーウェルト製法を採用し、創業時はボテっとした少し無骨な形が特徴的でした。
その後経営難に陥り、2000年にプラダによって買収されています。
買収後はチャーチのイメージが一新されてファッション性が高まり、どこか野暮ったさのあった靴がモダンに変わっていきました。
シルバーのスタッズが穴飾りに沿って散りばめられたモデル「BURWOOD MET」が、お洒落な女性の間で流行ったのを覚えている方もおられると思います。
大量のスタッズ使いとはいえ、全くいやらしくなく上品に映る様はさすがプラダ様といったところですが、買収前のチャーチにとっては考えられないデザインだったことでしょうね。
チャーチはインソールに直営店がある都市名が刻印されており、現行チャーチは写真の通りです。
それに対して買収前のチャーチ、いわゆる「オールドチャーチ」と呼ばれるものにはミラノや東京の名前がありません。
先ほどオールドチャーチは野暮ったさがあると言いましたが、それは逆に言えば現行チャーチにはない魅力であり、現存している希少なオールドチャーチを求めるファンはたくさんいます。
チャーチの靴は以前はコスパがよく、最後の英国の良心と言われていましたが、革の価格高騰によって靴の価格が値上げされています。
LAST173
今回ご紹介する3つにモデルには、「LAST173」という木型が共通して使われています。
LAST173はドレスライン定番の木型で、オールドチャーチに使われていたLAST73がアップデートされて作られました。
LAST73は丸みのあるクラシック然とした木型でしたが、プラダがチャーチを買収した後に改変されたLAST173は細身のロングノーズが特徴で、元々のクラシックさに加えてプラダならではのモダンさを備えています。
クラシックのようでモダンでもある、本当に不思議な形をしているんですよね。
LAST173のサイズ感に関してはコチラで徹底解剖しているので、ご覧くださいませ。
サイズに迷ったときの参考になるかと思います。
コンサル
CONSUL(コンサル)はストレートチップのモデル。
イギリスの政治家や大使が内羽根の靴を履いていたことから、「領事=コンサル」と名付けられています。
チャーチといえばコンサルだろという人も多く、ブランドの筆頭モデルと言えるでしょう。
装飾が一切ないのでLAST173の特徴が最も出ており、履いていると靴好きの人から「あ、チャーチだ」という風にすぐ言われますね。
けっこうストイックな雰囲気が出るので、僕は無地タイにチャコールグレーの無地スーツを合わせて、かために装うことが多いです。
結婚式にも重宝しますね。
ディプロマット
DIPLOMAT(ディプロマット)はセミブローグのモデル。
DIPLOMATという名前は外交官を意味しており、その名の通り、外交官がセミブローグの靴をよく着用していたことから名付けられています。
メダリオンの形は羊のツノを象っており、とっても優雅な印象。
セミブローグはその格好よさから、おそらくドレスシューズの中でも一際人気が高いデザインだと思いますが、チャーチにおいても同様で、着用者がめちゃ多いです。
スーツスタイルで足元を少し華やかにしたいなと思ったときにちょうどよく、使い勝手がいいんですよね。
セミブローグはトゥの形によっては華やかに見え過ぎてしまいますが、ディプロマットの木型「173」が、少し控えめの印象にしてくれます。
スーツ以外にも、デニムスラックスなどのような少しカジュアルなアイテムと合わせたりすることも可能です。
人によっては5Pパンツと合わせて休日スタイルを楽しんでいる方もいますし、けっこう自由度が高いですね。
またディプロマットは007の映画「ゴールデンアイ」にて、ピアース・ブロスナン演じる5代目ジェームズ・ボンドが着用していたことでも知られています。
僕は歴代ボンドの中でもピアースボンドが一番好きで、もうそれだけでディプロマットを購入した感じです。
チェットウィンド
CHETWYND(チェットウィンド)はフルブローグのモデル。
穴飾りが目を引く華やかなデザインになっており、メダリオンの形はディプロマットと同様に羊さん。
イギリスのブレア元首相が愛用したことでも知られています。
ちなみに今回ご紹介している3つのモデルの中で、僕はこのチェットウィンドが一番好きです。
フルブローグ自体はそこまで好きではないのですが、チェットウィンドはなんともいえない高潔な雰囲気を出してくれるんですよね。
フルブローグの原型は元々英国貴族が履いていたカントリーシューズ。さらにその起源を辿ると17世紀にスコットランドに住んでいたケルト人の履き物でした。
英国感満載のシューズだけに、グレンチェックのスーツに合わせてゴリゴリの英国スタイルを装うのが個人的に楽しいです。
生地は「FOX BROTHERS」のフランネルということで、どこまでも英国紳士気取りです。
またチェットウィンドはフルブローグということで、ストレートチップやセミブローグに比べてカジュアル度が高く、ジャケパンやオフシーンで使いやすいのも魅力です。
個人的にはこういう使い方のほうが多いですね。
スニーカーでもいけるところを、チェットウィンドをさします。
スーツスタイルもたまにやると気分が上がって心地いいですが。
チェットウィンドもディプロマットど同じく、映画「ゴールデンアイ」に登場しています。
この時代はボンドシューズといえばチャーチでしたが、「慰めの報酬」でチャッカブーツのライダーⅢが使われて以降は、クロケット&ジョーンズがボンドシューズの役を引き継いでいくことになります。
まとめ
- 現行チャーチにはレトロモダンな雰囲気が漂う
- いずれのモデルにもLAST173が共通して使われている
- コンサルはストイックなシンプルコーデに映える
- ディプロマットはジャケパンにも合わせやすい
- チェットウィンドはカジュアル使いが楽しい
チャーチには他にグラフトンやシャノン、ライダーなどの名作が揃っていますが、ドレスシューズは今回の3つをおさえておけばOKです。