ゆさん歩

人生を楽しむツール「ファッション」を綴ります

【誰にとっての価値】洋服の価値観は人それぞれであるという当たり前の話をする

こんにちは、遊佐です。

皆さん、服を買う基準はなんでしょうか?
値段、デザイン、ブランドといった基準があると思いますが、とこに価値を見いだすかは人それぞれですよね。
当たり前の話ですが価値感に正誤なんかありません。自分がいいと思ったものがいいんです。
ですがその価値観が形成されるに至った過程に誤りが存在することはあります。

具体的には、事実をもとに価値観が形成されていないということです。

そしてその状態で自分の価値感こそが正しいと感じて意見を述べてしまうと、思わぬ反感を買ったりしてしまいます。

そこで今回のブログでは、事実と意見を切り分けながら「その価値は誰にとっての価値?」ということを話していきます。

  • 消耗品か嗜好品か
  • 原価率とコスパ
  • ブランドの価値

この3つの視点で進めていきます。

よく聞く話だから自分もそう思っていた。でも実際は違っていたなんてことはよくありますので、二次情報を素直に転用しがちの人、例えばブロガーなども要注意の話です。

 

この記事はこんな人にオススメ
  • 服にお金をかけるのは無駄?
  • 高い服はバカバカしい?
  • 価格が高い服のほうが質がいい?
  • 原価が高い方がコスパがいい?

 

【誰にとっての価値】洋服の価値観は人それぞれであるという当たり前の話をする

服の価値観

消耗品か嗜好品か

「服にお金をかけるのは無駄」

「安い服はイケてない」

よく聞く物言いですが、これらはただの意見であって事実ではありません。

意見が分かれてしまうのは、洋服を消耗品と考えている人と、嗜好品と考えている人では、価値基準が全く異なるからです。

 

消耗品として捉える人は物理的価値、つまり原価に重きをおくので、純粋に費用対効果を求めます。

だから同程度の品質ならより安い方を買います。コスパがキーワードです。

コロナによるおうち時間が増え、価値観が変わった人。家庭ができ、子供ができ、ライフスタイルが変わった人。

服が嗜好品から消耗品になったのではないでしょうか?

いきなり消耗品になったわけではないと思いますが、それでも以前よりは熱量が明らか下がった人も多いはず。

こうなってくると、求めるのはコスパです。

 

一方、嗜好品と捉える人は、例えば3,000円で買えるパンツがあるのに、30,000円出してまで欲しいパンツを買うということです。

嗜好品に求めるのはコスパではなくワクワク感。それを着ることで得られる満足感、感動。付加価値というやつですね。 

ある程度コスパも求めるかもしれないけど、それよりもワクワク感があるかどうかのほうが遥かに重要。

付加価値を作るのはブランド力。

嗜好品型の人はブランドを強く意識しています。

 

消耗品か嗜好品か。

物理的価値か付加価値か。

ここを切り分けて考えないと、「服にお金をかけるのは無駄」「安い服はイケてない」といった相反する意見をぶつけ合うだけの無益論争が巻き起こります。

原価率とコスパ

これも多いですね。

「原価率が高いからコスパがいい」とか、「原価が高いから質がいい」とか。

メーカーの中には、原価率を開示して、高原価率であることを訴求している企業もあります。

例えば、

原価率70%。他社と同じくらいの原価だが、「不要な」販管費を削り、他社よりも安い金額で販売している。人件費を入れず、お客様に利益還元していますと。

これを見て、もし感動というか、なんて誠実なんだと心動かされたとしたら、ちょっと心配です。

飲食の世界だったら原価率の高さが高コスパにつながりますが、アパレルの場合は全く当てはまりません。

複雑なサプライチェーンにより、同じ物を作るのにもメーカーによって原価が変わってくる。これは、もしかしたら高原価率を謳うメーカーが開示する原価は別のメーカーならもっと下げられる可能性があるということです。

これはより安い工場を選ぶとか、ロット数で製造原価が変わってしまうんだとかいうショボイ話をしているのではないんです。

例えば利益をとるために安易な商社外しをして下手に直貿しようもんなら、結果的にコストがかかっているなどざらでしょう。ユニクロのように商社がやっていた高度な機能を代替できるような企業であれば直貿価値が出てきます。

 

まとめると、一口に原価率が高いといってもバックグラウンドが複雑怪奇になってるため、高原価率を謳っても、もっと根っこの部分まで開示しないと実態がわからないというか参考にならないということです。

これはトレーサビリティの点でも同様で、ざっくりとした流れや、生産地しか記載されないことが多く、消費者が見えてないところが存在します。

 

「原価率が高いからコスパがいい」と素直に受け止めてしまうのも、「原価」という言葉が問題なのかも。

というのも個人のブログを色々読んでいると、原価という言葉を使う際に、売上原価と仕入原価又は製造原価をごっちゃにして比較している人がけっこう多いです。

例えば、

小売業AはNBの仕入れ原価が30%で、そこに値引きや廃棄による損失がのって、売上原価45%とかになるとする。

一方、小売業BはPBの製造原価60%、プロパー消化率が高く、売上原価65%とする。

話題が違うのに数値だけを拾って、「こっちのほうが原価率が高い」とか言っていたらやばいですよね。

 

おそらく会計のことを知らずに書いているのだと思いますが、これが例えば実際にモノづくりを担う商社の人だったらまずこんな内容にならないでしょう。

少し話が脱線しましたが、「原価率が高い=コスパがいい」という式はアパレルにおいては成り立ちませんので、そこを価値基準にはしないほうがいいです。

書かれている数字だけじゃ絶対にわかりません。

 

ブランドの価値

「ブランドのタグが付いているから高いだけやん」

「ブランド好きの人」

という半ば揶揄のような意見を聞いたことがあるかと思います。

これを言うひとはおそらく、ブランドまたはブランディングについて深く考えたことがないのでしょう。

ブランドとは連綿と続く緻密なマーケティング活動の末にできるもの。

芸能人やインフルエンサーを起用した派手なマーケティングばかりが目に浮かぶかもしれませんが、販売スタッフ、生産管理、在庫管理、物流にいたるまで、全ての要素がブランドを作り上げます。むしろ普段見えていない、地味かもしれないところこそブランディングを支えています。

ブランドというものは一朝一夕に出来るものではなく、時間をかけて消費者と一緒に丁寧に練り上げられていくもの。だからこそ消費者は信頼を寄せ、新商品の価値も約束されます。

ブランドのタグが付いているだけやんと言いますが、タグはいわば無形の付加価値を具現化したもの。ブランディングのことがわかっていたら、「そのタグがなかったら普通の商品でしょ」なんて言えるわけがないのです。ここの理解がないと、偏った価値判断が生まれます。

 

このブランド価値と先ほどの原価率の話はつながってきます。

というのは先ほどの項目で、高原価率にするために削った、他社が上乗せてしている販管費は、今述べたようにブランディングに必要なものだからです。

会計の点で見ると、販管費は費用。つまり収益をあげるための種まきですよね。

費用は一律に悪とし、「コストカットせよ!」と吠えまくる人がいますが、必要な費用は積極的にかけるべきです。大局を見ずに目の前の銭を惜しんではいけない。

これは先ほどのサプライチェーンの中抜き思考と同じです。

中抜きしたバリュー分を自社が出せるどうかが鍵で、盲目的にコストを下げろとばかりに中抜きしても本末転倒です。

もちろん収益を一切生まない費用もあるので、ここはカットしなければいけません。

とにかくなんでもかんでも一律に考えるのはナンセンスということです。

僻みの心理

最後に小話です。

「プチプラでいい。ブランドものなんて別に興味ない」

という言葉をよく聞きます。

何者でもないただのいちブロガーとしてアドバイスさせてもらうと、こういうときは「プチプラでいいや」とのみ書いたほうがいいですね。

さもないと、本当はブランドものが着たいという心理を読まれてしまいます。

本当にプチプラがいいと思っているのら、ブランドものとの対比は発生しないはずです。

おそらくこの人の中での本当の価値基準では、ブランドものを着る人がプチプラを着る人よりも格上なんです。でも自分はブランドものを着ることができない。故に上記のような言い方をすることで価値基準を無理やりひっくり返しているんです。

価値の基準は人それぞれで、思うことは色々あるのでしょうか、どうか自分の中だけで完結させてほしいのと、自分の本当の気持ちに蓋をしないほうがいいですね。

 

まとめ

よほど書きたかったのでしょうか、約3,800文字、一瞬で書けてしまいました笑。

今回は本当はブランド紹介をしたかったのですが、タイムリーな時事ネタがあったので、急遽こちらの記事を先に書いてみた次第です。

ちなみに僕にとって洋服は嗜好品です。

持つ喜び、使う喜びを感じることが出来、人生が豊かになります。消費するだけだと存在しないこの二つの喜びを感じることが出来るんだから、儲けもんですよね。

人生は楽しんだもんがち。

洋服バカですね。

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