ゆさん歩 trip & hobby

金沢と富山を元地元民の目線でご紹介。また趣味であるカメラ、ファッション、脳科学についても少し書いていきます。

富山が誇るミュージアム。そしてコンパクトシティとは。

こんにちは。遊佐です。

皆さん、富山といえば何をイメージしますか?

寿司、魚、雪、堅実な県民性、田舎

色々出てくるかもしれないし、全く出てこないかもしれません。

富山といえば、たまにTVCMで出てくる「お薬」も有名。

富山は明治、大正時代には薬瓶製造分野が盛んで、ガラス瓶工場がいくつもあったそうです。

その後の戦争でガラス産業は廃れてしまいますが、それを再興させようと今も発展に取り組んでいます。

今回はガラス産業発展に寄与する、富山の新たなランドマーク「富山市ガラス美術館」と、それを含めた都市政策について書いています。

それでは早速いきましょう。

 

富山市ガラス美術館

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富山市ガラス美術館は、2015年にオープンしました。

「TOYAMAキラリ」という複合施設に、図書館、富山第一銀行と一緒に入居しています。

建物の外観部は、富山の象徴「立山連峰」をイメージした設計で、ガラス、アルミ、御影石が素材として使われています。

この建物を設計されたのは、世界的建築家の隈研吾さんで、建物自体がガラスアートです。

それでは中に入ってみましょう。

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1Fは受付カウンター。2階に上り、右上方に視線をやると、圧倒的な光景が広がっています。

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中心部を吹き抜けにして、それを囲むようにルーバーを配置。

天気が良いと、天井から自然光が綺麗に降りてきます。

うまいこと設計されてるな~と、きっと唸って頂けるはず。

ちなみにこのルーバーには、富山県産のムク材が使用されています。

 

そして、このガラス美術館は、富山が推進するコンパクトシティを意識して造られているんです。

つまり、地域コミュニティの絶対イメージである「人の絆」「あたたかさ」が、この空間にて表現されています。

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エスカレーターで上がっていくと、図書館のフロアに着きます。

ご覧のように、美術館と図書館が一体化されており、両者の垣根がありません。

1つの空間が多様に機能する造り方は、コンパクトシティの概念にも確かに一致しています。

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美術館の作品エリアは私用目的(例えばSNS系)での写真撮影が禁止されています。

なので本ブログには載せられませんが、是非一度行ってみてください。

もしガラスに興味がなくても、写真好きの方は一度行かれると良いと思いますよ。

 

コンパクトシティ

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コンパクトシティとは

先ほども少し出てきた「コンパクトシティ」という言葉ですが、皆さん馴染みがありますでしょうか?

コンパクトシティとは簡単に言うと、

「ドーナツ化、スプロール化現象と言われる都市の郊外開発化を抑制し、中心市街地に都市機能を集中させよう。そうすることで、効率的に都市をマネジメントしていきましょう」

という政策のことです。

さらに分解すると、

  • 居住区、商業、行政機能を中心市街地に集中させる
  • 徒歩や公共交通をメインにしたライフスタイルを作る

のようになります。

なぜコンパクトシティの話をしているかというと、富山市がコンパクトシティのモデル都市だからです。

モデル都市「富山」

富山市は2012年に、OECD(先進国から成る経済協力開発機構)よりコンパクトシティのモデル都市に選ばれています。

それ以前にも、環境未来都市、環境モデル都市にも選ばれており、コンパクトシティの先駆けなんです。

 

コンパクトシティを推進してきた富山市は、以下の課題を抱えていました。

  • 郊外開発化した為、中心市街地が空洞化
  • 非効率でコスパの悪いインフラ管理
  • 自動車社会への依存
  • 交通弱者である高齢者

これらを解決するための施策が以下3つです。

  1. 公共交通を活性
  2. 中心市街地を繁盛させる
  3. 中心市街地への居住誘導

 

この内、資本を特に集中投下しなければいけないのは、1の公共交通です。

ここが成立しなければコンパクトシティは成就しません。

ちなみに富山では、この三つの政策の基本方針を、「串団子戦略」としています。

 

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串と団子

串団子うまいですよね。

僕は特にみたらし団子が好きなんですが、いつも食べ過ぎて後悔しています。

そんな美味しい?戦略を少し説明します。

この戦略においては、串を公共交通機関、団子をその拠点に見立てています。

まず公共交通を活性させて、市民の足を作ります。そして交通機関が通る拠点を配置。

拠点の周辺に居住区域、商業、教育、医療施設を造ることで、都市機能をコンパクトに集中させます。

先ほども書きましたように、公共交通機関が圧倒的に拡充されなければ、他の施策に影響が出ます。

居住区域や主要施設が出来上がっても、串団子がないと機能しません。

そりゃそうですよね。箱だけ用意されても、そもそも不便だったら意味がない。

つまりコンパクトシティは、それを構造化した時に出てくる問題要素を全て絡めて解決していかなければならない特徴を持っているんです。

最後に

コンパクトシティでは、常に意識しておかなければいけないことがあります。

それは中心市街地が、

「魅力的で安全で暮らしやすくて、自分から住みたくなるような場所でなければならない」

ということです。

 

リマインドですが、コンパクトシティの最終目標は、都市の効率的マネジメントです。

その為には、居住区域の視点で見ると、やはり中心市街地の人口密度を上げていかなければなりません。

ですが、それを強制してはダメなんです。

あくまでも、住民が自らの意思で住みたいと思ってくれるように、誘導していく必要があります。

どこに住むかの選択の自由は、当然あって然るべきもの。

実際、市街地に住むメリットがあるのかと聞かれると、すぐにYESとは答えにくいです。

住居費アップ、騒音問題などデメリットは確実に存在しています。

しかし、それでもコンパクトシティは必要な政策だと僕は考えています。

日本総人口が1億人をきるのはもう直前です。

残念ながら人口減少はもう歯止めがきかなくなっているので、減りゆく人口数に合わせて、生活範囲をコンパクト化していくのは当然のこと。

無秩序に展開する居住エリアに対して、満遍なく行政サービスを行えるほどの財源は既にありません。

限られた資源を、いかに無駄なく有効活用出来るかに留意するんです。

そしてこの政策はすぐに結果が出るものではなく、中長期的に見ていかなければなりません。

長く根付いてしまった都市のスタイル(例えば車依存社会)をそう簡単には変化させられませんからね。

僕も元地元民として、見守っていきたいと思っています。

いや、何らかの形でコンパクトシティに貢献できたらと考えています。

「見る側ではなく、やる側にまわれ!」

ある人の名言が常に頭にあります。

富山コンパクトシティについて簡単に書いてきましたが、次回以降にもう少し掘り下げていきたいと思います。

串団子の串である「ライトレール」とか・・・。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。