こんにちは。遊佐です。
僕は小学生の頃、あるゲームに夢中になっていました。
それは「ファイナルファンタジー7」(以降FF7)。
1997年に発売されたFF7は、当時一大ムーブメントを巻き起こし、今なお伝説のRPGとして語り継がれています。
そのFF7のリメイク作品が今年4月に発売されることになりました。
楽しみにされている方は非常に多いのではないでしょうか。
作品発売に向けて、俳優の窪田正孝さんを起用した長編CMが流れております。
その内容は「FF7」を知らない若者の視点でFF7を見つめるというもの。
玉山鉄二さんが、FF7について力説しているシーンがとても面白いので、まだの方は是非ご覧ください!
さて、そんなFF7の人気を支えているのは、物語のキーともいえる主人公「クラウド」です。
クラウドはこんな人物。※少しネタバレ含みますのでご注意。
- 本当は仲間に入れてほしいのに、声をかけられない。
- そのうちに、あいつらは子供っぽい、付き合わなてくていい奴らだと見下すようになる。そうすることで「仲間に入れて」が言えない自分を正当化しようとする。
- 幼なじみに、ソルジャー(エリート兵士)になると約束して村を飛び出したものの、結局ソルジャーになれず一般兵士に。
- その後、任務で故郷の村に赴くが、幼馴染と約束した手前、素顔をヘルメットで隠していた。
精神的に弱いところが目立っていますよね。
物語中、彼は魔晄中毒という状態になり精神が崩壊します。
魔晄とは古代種(先住民みたいなもの)の知識がつまったエネルギーで、それを長時間たっぷりと浴びると、その膨大な知識が頭に流れ込んできて、それを処理できなくなるんです。
ちなみに魔晄を同じように浴びても問題ない人達がいます。
その人達こそクラウドが憧れる「ソルジャー」で、魔晄照射に耐えられるということが、ソルジャーになる為の必要条件なのです。
つまりこのようにカテゴライズ出来ます。
- 魔晄照射に耐えられなかった人→精神崩壊
- 魔晄照射に耐えた人→エリート兵
この魔晄照射の適正構造は、僕たちの世界にも存在しており、極めて重要なポイントです。
今回はそのあたりをお話ししていこうと思います。
意識のフィルター
僕たちは普段の生活で、四六時中にわたって大量の情報群に晒されています。
情報群は、見る、聞こえるといった意識するものから、立っている、座っているといった無意識まで幅広くあります。
さて、今あなたは大事な案件に取り組んでいるとします。
そんな中、意識しなくていい情報まで大量に頭に入ってきたら、集中できないですよね?
不要な情報が頭に入ってこないように、情報フィルターとしての役割を果たすのが視床です。
視床は脳を構成する1つ「脳幹」の重要なパーツ。
嗅覚を除いたあらゆる感覚情報を選別して、必要なものを大脳皮質へと送る役割を担っています。
視床のおかげで、「不必要であると判断された」情報を意識しなくて済んでいるのですが、もし視床が情報を識別出来なくなって大量の情報を中枢へ送りこんでしまうとどうなるのでしょうか。
その場合、統合失調症になる可能性が高まります。
統合失調症
統合失調症になると幻覚や妄想に囚われて、無意識のうちに空想世界を作り出します。
また奇想天外な発想や行動をとったりするようになります。
視床を通過する情報が増えると一度に大量のイメージが頭に流れこんでくるようなものなので、脳の処理能力が限界をオーバーロードを引き起こすわけです。
クラウドの魔晄中毒状態です。
そもそも視床が無差別に情報を通してしまう原因は、神経伝達物質「ドーパミン」の量が不適切だからだと言われています。
- 感情をコントロールする脳内の司令塔「前頭連合野」ではドーパミンが不足し、感情をコントロール出来なくなる
- 情動を司る「大脳辺縁系」では逆にドーパミン過剰になり、感情の高ぶりや思い込みが発生する
天才と精神疾患
先ほど症状の1つに「奇想天外な発想、行動をする」と書きましたが、これは視点を変えると創造性があるとも言えます。
常識では考えられない、行動できないことの枠組みをはずせているんです。
こういう人は、しばしば「天才」と呼ばれたりしています。
1994年にノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュ氏もその一人。
創造性に富んでいた反面、統合失調症を発症していました。
しかし彼は統合失調症をネガティブに捉えておらず、逆にそれが苦悩だけでなく素晴らしいプレゼントをしてくれたと認識しています。
もし統合失調症を発症していなければ、ノーベル賞を受賞できていなかったとまで考えているんですよ。
脳を機能的に
とはいえ、統合失調症のみを患っている人(創造性が顕在されていない人も含む)も大勢います。
視床に大量の情報を通過させた時、何がきっかけで統合失調症か天才に傾くかの問いにはっきりとした答えはまだありません。
しかし脳内の他の領域が機能的であるか否かという点が、視床を通過した情報に対する処理能力に大いに影響します。
例えば、先ほど出てきた脳の司令塔「前頭連合野」は情報処理を司ります。
前頭連合野が活性している人は、視床から送られてきた大量の情報を処理できるので、それらを使い創造性を発揮する天才になります。
逆に前頭連合野が機能していなかった場合は、大量の情報に飲み込まれ、精神を侵されて統合失調症側になります。
FF7の魔晄の話を思い出してください。
- 魔晄に耐えた人はエリート兵のソルジャーへ
- 魔晄に耐えられなかったクラウドは精神が崩壊
魔晄耐性がある人は総じて精神力が高いのですが、クラウドは精神力が弱かった為、魔晄に侵されることに。
精神力が高い人は自己コントロール力に優れています。
自己コントロール力をアップさせるには、脳の司令塔「前頭連合野」を活性、強化させねばなりません。
この前頭連合野を強化する方法は、座禅やマインドフルネスなどいくつかありますが、僕はランニングを選んでいます。
前頭連合野とランニングの関係性に、は?みたいな話ですが、また追々解説していきます。
さて、FF7と脳科学をまたいで記事を書いてきました。
書きながらFF7リメイクをplayしたくなってきましたが、そんな時間が果たしてあるのでしょうか・・・。
そういえばこの前、CMの玉鉄ばりにFF7をまわりの若手に熱く語ろうとしたら、皆けっこう知ってたんですよね。
超名作のリメイク。うまくいきますように。