ゆさん歩

人生を楽しむツール「ファッション」を綴ります

【復活なるか】おもろい店主と、おもろいセレクト品、時々缶コーヒー

こんにちは、遊佐です。

僕は2000年代を地方で暮らしていたのですが、その頃とあるセレクトショップに通っていました。

ドメブラを扱う5坪程度の小さなお店で、SNSはもちろん、ウェブサイトすらなく、紙面に載ることもない。連絡手段は電話のみという、完全にオフライン状態。

話題のブランドを取り扱っている一方で、聞いたことないブランドが割合多く、かなり攻めたバイイングをしていたなと今でも思います。

情報に溢れた今でこそ知らないお店やブランドがあればネットですぐ調べることもできますが、当時は情報が少ないもんですから、こういうお店ってただただ妖しいんですw

本当に大丈夫なのかなと心配になる。でも・・・なんか心を掴んでくるんですよね。

不確かなものことだらけだけど、そんな妖しさと紙一重とも言えるような魅力に僕は引きつけられました。

 

そしてそういう、知名度がなく、商品情報もなく、その日初めて知ったブランドの商品を人気ブランドと分け隔てなく購入できていたのは、オーナー店主に絶大な信頼を寄せていたからです。ブランドの世界観や商品について、真剣な目で熱く語る様は今でも覚えています。買い物の合間に外に出て自販機でコーヒーを買ってくれていっしょに飲んだり、プライベートな話をしたりと、どこか兄貴的な存在でもありました。

僕と同じように店主を慕っていたお客さんも多く、決して千客万来というわけではなかったですが、お店に行くといつも常連客との会話が聞こえていました。

売上自体は坪数に見合った小規模なものだったのでしょうか、全然儲からんわと店主はよくぼやいてましたが笑

 

このお店はいくつかの商店街で形成される繁華街にあり、近隣に地方百貨店や小規模セレクトショップ、メーカー直営店などが立ち並んでいました。

特にセレクトショップは個性的なところが多く、しかも取り扱いブランドがよそと被らず、それぞれのお店が独自の色を出しながら運営されていたように思います。

ナンバーナイン、プレッジ、アンダーカバー、ラッドミュージシャン、ラウンジリザード、ファクトタム、マンオブムーズ、マージン、ミスターオリーブなどが、被らず各ショップに分散されていたのは、取り扱いブランドダダ被りが当たり前の今では考えられないことです。

この時代のファッションに関しては以下の記事を読んでみてください。懐かしいと思う人もきっといるはず。

www.yusanpo.com

 

どのお店にも1度は入り、買い物もしましたが、2度目はあっても3度目来店することはなかったです。結局いつもの5坪のお店に通っていました。

おもろい店主と、おもろいセレクト品、時々缶コーヒー。最高でしたね。

残念ながらこの店は15年ほど前にクローズしてしまい、店の跡地前を通るたびに思い出します。他のお店も続々クローズしてゆき、シャッターが閉まったところだらけの商店街を見ると、うらさびしくなります。

人口流出が止まらない地方の宿命でもありますが、それでもちゃんと今でも生き残っているお店もあります。それらの共通点は、ネット普及期の2000年代からウェブサイトやブログに力を入れていたということ。そして自分たちは何者なのかという発信をし続けていたということです。当時僕もよく読ませてもらっていたのですが、ポジティブで勢いのある内容は今でもなんとなく記憶に残っています。

次代を見据えた動きをしているところと、そうでないところとでは、やはりその後の結果が大きく変わるのは言うまでもないことなのですが、同じような転換期が近い将来に迫っているような気がします。昔と違い、発信するのがどこも当たり前というか常態になり、さらに今は企業だけでなく個人も発信するようになりました。インフルエンサーと呼ばれる彼らの影響力は企業の業績にも及ぼすほどで、企業同士がライバルだった頃とは違い、企業のライバルが個人という時代になってきています。

5坪のお店がなくなってしまった時代に生き残れたお店が、次の時代でも生き残れるかどうかはわかりませんが、前回のときよりもライバルは間違いなく強敵です。

そしてそのライバルは、完全にオフラインの世界にいた妖しげな5坪のお店が現代的な形で復活した形かもしれません。

旧態依然とし閉塞感のあるショップが多いだけに、ちょっと待ち遠しい存在です。

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