こんにちは、遊佐です。
昨今よく見かけるようになったストレートシルエットのデニム。
ストレートはリーバイスでいえば501や505のようにテーパードが効いてない、もしくは弱めのシルエットのことです。
業界の人はこの手のシルエットを使用することが多く、特にリーバイスはこの界隈では特に人気てす。ドメスブランドでもファンが出来るほどの旬のシルエットですが、一方であまり好みじゃないという人も多いようです。
何故か?
結論から言うと、ストレートは難しいシルエットということです。
そこで今回のブログでは、何故ストレートは難しいのか、そしてストレートの良さとは何なのか?という話をしていきます。
- ストレートデニムは好きじゃない、カッコよく見えない
- スリムシルエットが好き、慣れている
- ストレートは何がいいのか?
【難しいシルエット】ストレートジーンズ(デニム)がダサいと思われる要因とは?
ストレートは難しい
これはデニムに限らずチノパンやスラックスにおいても同様で、ストレートシルエットのパンツは見栄えがいまいちだと感じる方は多いようです。
これは普段スリムパンツを好んで穿いている人たち、中でもおじさん世代に圧倒的に多い現象です。
お店で試着した姿を鏡で見た時にどうもしっくりこない。直感的に「いい!」と感じることができません。
これなぜかというと、「わかりやすさ」がないからです。
わかりやすさとは、例えば熱いとか冷たい、辛い、甘い、硬い、柔らかいなど、白黒はっきりつく程度の高さです。
ストレートパンツを形容すると、「細い」でもない、「太い」でもない。中庸とか、スタンダード、普通といった、癖のなさを表す言葉が多いのではないでしょうか。
こういうエッジの効いていないアイテムほど難しいものはありません。コーデ力や着用者の身体及び雰囲気など他の要素へ依存することになるからです。
スリムとかワイドとかのように何かしら特徴を付与してくれていると、穿くだけである程度なんとかなるといいますか、コーデの基礎点が上がりやすいんですね。
特にスリムパンツがおじさん世代に人気なのは、そういったとっつきやすさがあるからで、要するにイージーモードということです。
穿いて鏡を見た瞬間に「イイやん!」と思えるような美脚シルエットを出せるパンツというのは確かにイージーモード仕様。中でも本当によくできたスリムパンツは横や後ろからの姿も見栄えしますので、たるんだ中年体形を補正してくれます。みんなの味方というやつですね。
そしてこの「鏡を見た瞬間に」というのが、「分かりやすさ」を表しています。直感的に「これはいいもんだ」と明瞭回答をくれるんですね。
スリムフィットは「かっこよさ」という概念とリンクしやすい。スリムフィットで包んだ2010年代頃のファッションが流行ったのも、そういう理屈があるわけで、時にいきった印象に感じられていたのも、「かっこよさ」が「かっこつけ」に転じるからです。
一方でストレートというのは美脚シルエットを出すために作られたパンツではないので、先ほどの文脈で言えば直感的な良さを感じにくいというわけです。なので穿いて鏡を見たときに、「うーん」とか「なんかしっくりこない」みたいなイマイチな反応になり、しまいには休日になんとなくジーンズを穿いているおじさん感のような凡庸なイメージを浮かべてしまうのです。特に膝下テーパードのあるなしが、印象に影響を与える。
もちろん直感的に感じられないだけでよく考えれば理解できる可能性はありますが、ファッションは直感的にイイと思えるかどうかが大事なので、あーだーこーだ考えてしまう時点で、少なくとも現時点ではそのパンツを買う必要がないというか、買っても穿きこなすことはできないでしょう。
経験を積む
「少なくとも現時点では」というのが重要な点です。
というのもイイものをイイと感じるためには、感じるための器が必要になります。何が言いたいかというと、ストレートがしっくりこないと感じるということは、ストレートの良さを受け止める受信機が備わっていないということです。
この受信機を備えるためにはシンプルに経験値を貯めることにつきます。
こういった普通のアイテムは往々にして、一周回って帰ってくるところ、一通り経験してたどり着くところだったりします。つまり、何がいいのかが最初の頃は理解できない(理解する器を持たない)のだが、色々な経験をしたのちにやっとその良さを知るということです。
ストレートの良さとは
一周回ってたどり着くストレートジーンズの良さとはなんぞやという話です。
先ほどストレートには、わかりやすさがないと言いましたが、それこそがストレートの良さと言えます。
わかりやさはイメージを作りやすいのと同時に、主張が強くなるというデメリットも生み出します。それをいかに抑えるかがポイントになるわけで、失敗するとキメすぎ、やりすぎとなる。手を出しやすい反面、稚拙さも出かねないということです。
その観点で言うと、ストレートには以下の点で優位性があります。
- かっこつけた感が出ない
- 上級者感が出る
つまりは主張をしないことで、「大人の余裕感」を出せるということ。
余裕感はこなれ感に直結しますので、ファッションとしても次のステージに行けるという話です。
コーデ例
まずは大原則です。かっこつけてはいけません。お洒落しようとしてはいけません。
かっこつけない、お洒落しようとしないということは、狙いにいってはいけないということ。正確には狙うんだけど狙っていることを見透かされてはいけないということです。
これはまさにこなれ感を作る手法そのものです。
ちょっと粗野なくらいがちょうどいい。
あとは着用者本人の身体のメイクアップを怠らないことです。
特に顔。
髪型など顔を整えましょう。
イケメンでなくてもいいんです。雰囲気さえ出せたらそれでOK。髭を蓄えるのも有効です。
「慣れ」という話
最後に慣れの話をします。
頑なにスリムパンツしか穿かなかった人が、いつの間にかプリーツパンツやテーパードシルエットに慣れ親しんでいるケースを僕はいくつも見てきました。スリムパンツを穿かなくなりましたという人までいます。
結局慣れの問題なんです。
ストレート、スリム、ワイド、どれは一番穿きやすいかというと、慣れているものなんですよ。慣れているものが一番使いやすい。当たり前のようで当たり前に思われていない話。
なので、ストレートに慣れると、スリムパンツに違和感を感じ出すかもしれない。
だから全部に慣れると最強です。
昨今はストレートジーンズどころが、デニム自体を穿かないというおじさん世代も少なくありません。スラックス人気の時代が続いた影響で、デニムを穿くことがなくなってしまったんですよね。ここも慣れの話で、デニム離れしちゃってもまた穿き続けると慣れていくということです。
まとめ
- ストレートデニムには「わかりやすさ」がないため、直感的な良さを感じにくい。
- ストレートのような「普通」のアイテムには凡庸な印象を持ちやすい。
- ストレートの良さとは、主張感がないこと。こなれ感を演出できる
- 穿きこなすには、コーデ力や本人の見た目、雰囲気作りが重要
- 慣れの問題
個人的にも昔はスリム一択でしたが、ストレートの良さに気付いてからは、ワードローブに欠かせないものに