こんにちは、遊佐です。
最近街中でボーダーTを着ている人をよく見かけませんか?特に女性の方が多いかと思います。
ボーダーTを着ている人は昔からそれなりの数ではありましたが、ここ最近は選んでいるものに傾向が出ていまして、それがバスクシャツです。
バスクシャツといえばセントジェームス、ルミノア、オーシバルのいわゆるフランス御三家ブランドですね。知名度抜群で信頼性も高いです。
まずは御三家で一枚買っておくかという人が多いと思いますが、それ以外のブランドでとても素晴らしい出来のものがあるということを知らない人も多いかと思います。
そこで今回のブログではおすすめのバスクシャツとして御三家以外のブランドを4つ紹介していきます。
いずれのブランドも、御三家のように定番モデルを擁していますので、毎シーズン買えるというところがポイントです。
- バスクシャツとは?
- ボーダーTとバスクシャツ、何が違う?
- バスクシャツのおすすめは?御三家ブランドしか知らない・・・
【バスクシャツとは?】大人メンズにおすすめのブランド4選も紹介します
バスクシャツとは?
起源と歴史
今でこそファッションアイテムとなっているバスクシャツですが、もとは16世紀ブルターニュ地方の漁師たちが着ていた仕事着で、19世紀頃には海軍のユニフォームとして採用されていった経緯があります。
- 着脱簡単なボートネック
- 防風性のある肉厚ニット素材
- 視認性のあるボーダー柄
- 器具に引っ掛からない7分袖
これらは今でこそ普遍的なバスクデザインですが、昔は道具としての重要な側面だったわけですね。仕事着またはミリタリーアイテムだったものがファッションとして使われるようになったという物語はファッションの醍醐味ですが、バスクシャツに関しては元々お洒落着だと思っていた人は多いのではないでしょうか。
このかつては男くさく、道具であったものをココシャネルがきれいめな洋服として目を付けたのがきっかけで、以降ファッションアイテムとして昇華されていきます。
1,900年代のオードリーヘップバーンやパブロピカソ、シャルロットゲンズブールがボーダーTを身に纏ってうつる写真を見たことありませんか?雰囲気があって、家に飾りたくなってしまいますね。
発祥の地フランスの人が実際に着ないのかどうかは知りませんが、ファッションとは切っても切れない関係にあるトラッドでミリタリーなアイテム。洋服好きなら一枚は持っておきたいものです。
ボーダーTとの違いは?
バスクシャツとボーダーTの違いが分からない、ごっちゃになっている人も多いのではないでしょうか?
ボーダーTシャツはあくまでも総称、種類の名前で、その中にバスクシャツがあるし、そうじゃないものもあります。つまりボーダーTはバスクシャツであるし、その逆も成り立ちます。
ですが最近はバスクシャツの定義が曖昧になってきており、何を持ってバスクシャツと呼ぶのかが適当だったりします。
おすすめブランド
オーベルジュ
ヴィンテージテイストを得意とするドメスティックブランドのオーベルジュ。
2種類のボーダーTが定番としてラインナップされているのですが、僕が特に気に入っているのが「ビッグシャルロット」です。
あくまで僕の中でということですが、完璧に近いと言えるバスクシャツです。
- サイズ感
- 生地感
- ボーダーのピッチ
- ネックの開き具合
全ての点において素晴らしいの一言に尽きます。
そしてもう一つのモデル「COCO」も素敵です。
先程少し話に出てきたココシャネルが元ネタになっているモデルです。
COCOは配色が秀逸。
ボーダーTの配色はデザイナーのセンスが問われる重要なパートなのですが、もう憎いくらいオシャレ。色違いで欲しくなります。
ビッグシャルロットもココもマリンルック縛りにならない点が強みです。
バスクシャツはその性質上サマーな印象が全面に出ますが、オーベルジュのバスクシャツはネックの開きや配色に工夫がされているので、複数のスタイルを横断できてコーデの幅が広くなります。
やや価格が高めですが相応の魅力を備えていますので、きっと満足できるはず。
ジョンスメドレー
今回ご紹介するブランドの中ではダントツに知名度があると思いますが、このブランドでバスクシャツを探そうとする人はかなり少ないでしょう。
元来ソリッドなアイテムを主軸としており、ボーダー柄も継続してずっとやってきていましたが、ニットブランドにバスクボーダーがあるなんてよもや思いません。
ところが2、3年ほど前から「CHELTON」というバスクシャツが販売されており、これが目下大人気。
今回ご紹介しているブランドの中だと、控えめなシルエットが特徴でしょうか。
バスクシャツは元来ゆったりと、ややもするとオーバーサイズなシルエットをしているのですが、その点を考えるとスメドレーのものは現代的なシルエットといえます。
また、首周りだけパネルで袖や裾はボーダーデザインという、パネルボーダーのようなそうでないようなデザインになっており、これが個人的に気に入っているポイントです。ありそうでないデザイン。
そしてスメドレーといえばの上質なシーアイランドコットン24ゲージニットと相まって、端正なバスクシャツ完成という感じです。
アルモリュクス
アルモリュクスはフランスのブルターニュで誕生したカットソー専門ブランドで、御三家同様にバスクシャツが特に人気です。
自社工場にて生地作りから縫製まで一気通貫で製作されるため、安定したクオリティが保たれています。
日本ではあまり知名度が高くありませんが、フランス軍や銀行や鉄道、郵便局などへのユニフォーム提供もしており、バックボーンがしっかりとしている優良企業です。
今回ご紹介している中ではバスクシャツのオリジナルに近いデザインで、意味で癖がない普通のバスクシャツという感じです。同じフランスブランドということも相まって、御三家が好きな人に特に刺さりそうですね。
個人的にいいなと思ったのは生地の柔らかさで、着ていてとても心地いいです。肌着メーカー出身ということで、着心地や風合いの良さはお家芸なのでしょう。
20,000円に満たないリーズナブルな価格も魅力です。
ウティ
最後はドメスティックのOUTIL(ウティ)。
ウティという名前はフランス語で道具を意味し、洋服を道具として捉えたモノづくりをしています。
デザイナーはフランスのヴィンテージウェアに造詣があり、デザインのインスピレーションはもフランスにあるようです。そのあたりはオーベルジュに少し似ているかもしれませんね。
バスクシャツといえばこのブランドの名を挙げる人は多く、特にパネルボーダーの「TORICOT AAST」はブランドの代表作。袖幅がかなり広く、袖の長さは手が隠れるほどで、大胆なビッグシルエットになっています。
このあたりは正直好き嫌いが分かれそうですが、個人的にはいつか試してみたいですね。
着丈は長めがいい
街中でもタックインスタイルをしている女性をよく見かけるかと思いますが、ボーダーTの着こなしとしてタックインスタイルは基本系の一つで、往年のココシャネルやゲンズブールを想起させる洒落た着こなしです。
こちらの記事で着こなし例を紹介しています。
当然のことですが、着丈がある程度長くないとタックインできません。
中途半端に丈があるものはタックインしてすぐに裾がはみ出てきたり、うまくブラウジング出来なかっりして、使い勝手が悪い。
タックアウト用に作られている着丈が短いものも世の中多いので、それぞれの用途に合わせたものを適宜選ぶというスタンスが必要です。
タックイン、タックアウト両方で使いやすいものもありますので、自分に合う着丈が何センチかなということを知っておくのも大切ですね。自分は大体70センチ程度を目安にしています。
まとめ
- 大人のボーダーTはバスクシャツがおすすめ。着こなしのアーカイブも参考になるものが多い
- 御三家もいいけれど、それ以外の選択肢があるということを知っておくべし
- フレンチヴィンテージに詳しい人が作る日本人デザイナーが作るバスクシャツのクオリティは本場を凌ぐかも
- 着こなしはタックインスタイルがはまる。そのためにも着丈が長いものがおすすめです
英、仏、日のラインナップとなりましたが、特に日本ブランドはやはり面白い。洋服、とりわけヴィンテージに造詣の深い日本人デザイナーが作るものには、バスクシャツの起源や歴史を彩った偉人たちのエッセンスが滲み出ています。