こんにちは、遊佐です。
自分や自分の大事な人を守る為に、正しく恐れ、まわりに流されず自分の頭でよく考えよう。
この「よく考える」は抽象的な物言いに捉えられがちで、しばしば精神論に帰着しています。
今回は「よく考える」を抽象化せずに、具体的にどうすることが「よく考える」ことなのかについて書きました。
結論からいうと、よく考えるとはPQを鍛えることです。
このPQとは何なのか?
IQとなにが違うのか?
順を追って話していきたいと思います。
誰かを守る為に備えたい「最善の一手を打つ力」
IQ
IQという言葉は一般的に聞き馴染みのある言葉かと思います。
簡単な計算問題や、図を用いた設問が用意された知能検査を受けて算出される知能指数がIQです。
IQの概念が生まれたのは、1905年にフランスの心理学者「アルフレッド・ビネー」氏がフランス文部省から、ある依頼を受けたことがきっけでした。
その依頼とは就学に向かない知的障害児を見分ける方法で、ビネー氏はその方法として「知能測定尺度」を作り、これがIQテストの根本になったと言われています。
数値として大体70~130の間に収まるのですが、まれに200近い数値をたたき出す人もいます。
僕が小学生の頃に読んでいた漫画「金田一少年の事件簿」の金田一はじめがIQ数値180の持ち主で、数々の難事件を解決しています。
この漫画でも描かれていますが、IQが高い人は普通の人が思いつかないような解決策を思いつきます。具体的にいうと、ゴールまでの一見複雑に見える行程をシンプルに紐解き、瞬時に最適解を選ぶことが出来るのです。
EQ
一方、EQとは「心」の知能指数を表します。
EQという言葉の概念はアメリカの作家「ダニエル・ゴールマン」が世間一般に認知させました。
EQは以下のような要素で定義されます。
- 自己認識
- 自己制御
- 動機付け
- 共感
- 社会性
入社試験とかで出てきませんでしたか?
「わたしは物事に前向きに取り組むことが出来る」
これに対して5段階基準で自己評価せよという設問です。
EQはこのように、IQとは全く違った定義をされています。
IQには感情の概念がないので、その分数値化出来る利点はありましたが、果たしてそれだけでよいのか?という疑問から始まったのがEQです。
現代社会で働く人にとって実際に役立つ知能指数は、計算問題等のIQよりも心の知能指数=EQだと言わざるを得ません。
特に日本みたいに、コミュニケーション力が必須とされる社会性が高い国では尚更です。
PQ
ここで、冒頭でお話しした「よく考える」に戻ります。
よく考えることが出来る人は困難な事態に直面した時に、立ち向かう為の行動を自分の頭で導き出すことができます。
この行動をするには、脳内の「前頭連合野」という領域を活性化させている必要があります。
前頭連合野とは、脳内で最も高次な存在として知性や思考、判断、感情を司っており、脳内の他の器官が感知するあらゆるモノの情報を統合して最終的に判断する司令塔です。まさに人間が人間として存在する為の器官ですね。
ここで登場するのが新しい知能指数PQです。
PQはPrefrontal Quotientの略で、「Prefrontal cortex=前頭連合野」がどれだけ優れているかの指数を表します。
先述したIQもEQも前頭連合野が活性していないと高い数値が測定されない知能指数基準です。
そんなIQ,EQを含めた上で、つまり普遍的知性や感情制御力を踏まえて、これまでに得た経験や情報を統合して最終的に出される判断力を数値化した知能指数がPQなのです。
PQを鍛える
危機的状況で、常識や古い慣習に囚われずに持てる知識を総動員し、今の一点において最善の一手を打つことが出来る人、英断力のある人こそPQ数値が高いといえます。
ではこのPQを高める、すなわち前頭連合野を活性させる術がなんなのか。
それはたった今述べた文にヒントが隠されています。
- 常識や古い慣習
- 持てる知識
これらを踏まえて、逆に前頭連合野が活性化していない、つまり衰えている人はどういう状態にあるのかを考えます。
前頭連合野が衰えている人は、凝り固まった考え方に囚われてしまっているので、過去の経験に基づいた判断しか出せず、「今」の最適解が出せません。安全志向の方もこれに含まれますね。
また、自分の思考にそぐわないモノを排除する傾向にあるので、人の意見を聞きませんし、自分の気に入った情報しか取り入れようとしません。
会社にいませんか?
- 進言を聞き入れず、自分の意見が正しいと思い込み、その後自爆している人
- メールや資料をろくに確認せず、的外れなことを言って自爆している人
課題に対してきちんと考えようとせず、安易に安全に行動した結果、大ダメージを食らっています。「考えない」ので、前頭連合野が鈍っている状態です。
なので、逆のことをしていきましょう。
前頭連合野を活性させるには、「考える」状態に自分を置き、安易安全志向から抜け出して経験を積むこと、つまり新しいことに取り組むことが肝要です。
新しいことに取り組むと、思考が発生して前頭連合野が活性します。
- 人の意見を聞き入れる
- 過去に失敗した方法とは違う方法を試す
- 違う道を通って帰宅する
- 毎日同じコンビニ飯をやめて、新規開拓する。
- 友達グループの集まりでは自分が主催してみる
日常生活の些細なことから仕事まで、新しく取り組めることは沢山あるので是非試してみてください。
僕は行きつけのご飯屋さんで、いつも同じメニューを食べる習慣があったので、数年前に強制的に修正しました。お店のマスターもいつしか、メニューのローテーションを組んでくれるようになりましたね(笑)。
後、飲み会等の集まりではいつも参加する側でしたが自ら幹事役をやるようになりました。大学生の時は、だらだら参加するばかりで、幹事役の人にホントに申し訳なかった。
幹事役は初めはめんどくさかったですが、頭を使うことこの上ない(それこそ前頭連合野だけの話ではない)ので、これはかなり効果があり、不測の事態対応力や、段取り能力が鍛えられました。
1つ習慣を変えたら色んなことに伝播していくので自分が変わっていく様は面白かったです。
まとめ
さていかがでしたでしょうか。
今回のコロナ騒動では、社会全体での準備不足が色々露呈されることになりました。
こんな防備態勢が甘い状態で、近い将来まで迫っている南海トラフ地震が発生した時、どんな凄惨な事態になるのか想像に難くありません。
近頃怪しい地震もちょこちょこ起きていますし、有事に備えておくに越したことはないでしょう。
不確かな情報が飛び交う中で、最後に頼れるのは自分の頭脳だと理解し、切り抜けていかなければなりません。
圧倒的多数派に流されることなく、自分の頭で考え、そして最善の一手を打ち誰かを守る。
最善の一手がない場合ももちろんあります。正解が何パターンもあるような問題です。
それでも不正解は確実に存在するわけだから、その不正解だけは選ばないように、日々努力していきたいところです。
それでは最後にまとめます。
- 真の知能指数とは「苦境を打開する」指数PQである
- PQを鍛えるには前頭連合野を活性化させよ
- 前頭連合野を活性化させるには、新しいことに取り組むべし
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。