こんにちは、遊佐です。
今回のブログでは昨年末にちらっとご紹介した腕時計、jaeger-LeCoultre(ジャガールクルト)の手巻き式「マスターウルトラスリム34mm」をレビューしていきたいと思います。
こちらは現行品ではなく、いわゆるネクストヴィンテージに当たりますが、かなりいい状態のものを手に入れることができました。
僕はルクルトの時計は今回が初めてですが、すっかりルクルトに魅了されてしまった気がします。
- jaeger-LeCoultre(ジャガールクルト)の評判は?
- マスターウルトラスリムとは?
- Cal.849とは?
- どんなコーデがおすすめ?
【極薄の美学】ジャガールクルトのマスターウルトラスリム34mmをレビュー!圧倒的な洗練性と静謐な佇まいをその手に。
jaeger-LeCoultre
jaeger-LeCoultre(ジャガールクルト)は1833年にスイスにて時計技師アントワーヌルクルトが創業したマニュファクチュール。
創業当時から他メーカーに先駆けて一気通貫で時計を製作するスタイルをとり、その高い技術力によって数多くのムーブメントを生み出してきました。
パテックやヴァシュロンといった雲上時計を含めたメーカーへムーブメントを供給してきた姿から、時計屋のための時計屋と呼ばれることもあり、腕時計界を発展させてきた立役者でもあるのです。
奥ゆかしいのはそれだけ権威ある立場にも関わらず、表立って腰を振ったりしていないこと。というのはルクルトの時計はよく上品であると評価されますが、それは控えめで飾らない、それでいて洗練されているということで、まるで俗っぽさから一抜けして悟りの境地に達しているような雰囲気を感じさせてくれます。
マスターウルトラスリム34mm
マスターウルトラスリム
マスターウルトラスリムはルクルトの定番コレクションの一つで、その名の通り究極の薄さを体現したもの。
腕時計は厚さ10mmを切ると薄型の世界に入っていきますが、今回ご紹介するモデルは6mmと極薄、つまりウルトラスリムなわけですね。
薄さというのは審美性の観点から見るとものすごくアドバンテージなわけですが、時計の精度や耐久性を保ちながら薄さを追求するというのは機械の構造上難しい。
でも難しいからこそ各メーカーは技術力を競い合い、1900年代の時計ムーブ「薄型化」が起こり、そしてルクルトはその牽引役ともいえる功績として、1907年に厚さ1.38mmのCal.145を開発しています。これが現在のマスターウルトラスリムの原点です。
つまりマスターウルトラスリムは機能性と審美性を兼ね備える技術力をこの薄さに凝縮させ、そしてその結果生まれる圧倒的な洗練性がこの時計の魅力です。
洗練と静謐
今回ご紹介しているモデルは2000年代のもので、いわゆるネクストヴィンテージに当たる手巻き式。
2針ノンデイトという時の縛りから解放されたような世界で過ごせる時計です。
ドルフィン針に楔形インデックスという王道ドレスウォッチですが、時折入るアラビア数字のインデックスが程よくカジュアルさを付与しており、ドレスウォッチながらカジュアルに使える懐の深さがあります。インデックスがキラキラと眩く光るのが綺麗。
文字盤の黒さ加減もまたいい。漆黒のような艶のある黒さと煌めくインデックスとが美しく調和しています。
風防はサファイアガラス。
サイズは34mmと現代としては小振りです。
現行のマスターウルトラスリムではこのサイズ展開はなく40mm弱が基本となっていますが、このようなシンプルなデザインの場合、サイズの大きい文字盤は間伸びして見えてしまうので、個人的には38mm以下にしておきたいんですよね。
とりわけ自分は15,5センチ以下の細腕さんなので、34mmサイズのドレスウォッチは綺麗に収まってくれます。
そして先ほども触れましたが、厚さ6mmの姿。
薄い。
シャツの袖口に一切干渉しません。
軽さとあいまって付けているのを忘れてしまうくらいです。
最後にこちら。
シースルーバック仕様でムーブメントを鑑賞できます。
このムーブメントは時代の象徴でもありますので、このように鑑賞できるような仕様になっているのは嬉しいですね。
洗練された美しさがあり、でも飾らないから嫌味がない。手元で一切の主張をせずに静かに佇んでくれる時計です。
Cal.849
搭載されているムーブメントはCal.849。35時間パワーリザーブ、21,600振動。
Cal.849は1994年に登場した厚さ1.85mmの超薄型ムーブメントで、ヴァシュロンやインターなど他メーカーにも供給された20世紀を代表する名機です。
1.85mmは手巻き式ならではの薄さではあるのですが、手巻きにしても超薄い。となると精度が心配ですが、ルクルト1,000時間テストをクリアしています。
ここまで薄いということは当然ながら動力ゼンマイの高さが低いわけで、そうすると動力が小さくなって精度が落ちますので、動力ロスをできるだけ抑えて効率的に動力伝えていくために、より正確な部品作りそして組み立てが求められます。
あと香箱を吊り下げ式にすることでも薄さをかせいでいますが、水平を保つのが難しい構造のため、やはりここでも設計によって補っています。
薄さと精度は相容れない関係にありますが、だからこそ壁を打破しようとしてイノベーションが生まれる。
コーデ
スーツを始めフォーマルなシーンにもってこいですが、僕はスーツを普段着ませんので、もっぱらカジュアルに使います。
例えば画像のようなジャケットスタイル。
こんなスタイルで腕元で主張されては困りますから、いるかいないか分からない程度に佇んでもらいたい。
それでもスポットを当てるとこの存在感。
こういうところに身につける楽しさがありますね。
あとはシャツいちや、ニットポロとかボーダーTとかにもさらっと合わせようかと考えています。
夏はあまり登場シーンはなさそうなので、4月ごろまで付けて以降は秋まで一旦お休みでしょうか。
まとめ
- jaeger-LeCoultre(ジャガールクルト)は業界を代表するマニュファクチュール。他メーカーへ自社ムーブメントを提供し続け、時計界を前進させてきた立役者。
- マスターウルトラスリムは機能性と審美性を併せ持った薄型時計シリーズ。精度と薄さという相反するものを掛け合わせる設計、技術力が真髄。
- マスターウルトラスリム34mmは厚さ約6mmの極薄時計で、文字盤のデザインと相まって高い洗練性を誇る。
- 搭載されたCal.849は厚さ1.85の超薄型ムーブメント。
時代性を感じない普遍的なデザインだと思います。一緒に歳を重ねていきたい時計ですね。