こんにちは、遊佐です。
ファッションが好きで、もう何年も洋服を買い続けているけれど、いまいち垢抜けない、ダサいなと思うことありませんか?
それなりの服を着て、サイズ感や色合わせも問題ない。
なのに何故??
そんな時は間違いなく抜け感が欠けています。
抜け感と聞いて、「よく聞く言葉なんだけど、わかっているようで今ひとつ意味が分からないんだよな」
こんな風に思う人は多いと思います。
というのも、この抜け感という言葉は定義が曖昧なんですよね。
ファッションを語る際に当たり前のように使われていますが、いざ説明しみてよって言われると困ってしまう言葉です。お洒落な感じというのはなんとなく分かるんだけれど、今ひとつその意味がはっきりしない。
そこで今回のブログでは、抜け感という言葉の解像度を上げながら、抜け感ファッション、そして抜け感を出すには具体的に何をすればいいのかについて話していこうと思います。
- 抜け感とは?
- なぜ抜け感が必要なのか?
- 今ひとつ自分の格好が垢抜けない
【キメすぎ注意】抜け感がある人とは?メンズファッションを攻略するための必須条件を伝えます
抜け感とは?
抜け感という言葉はいつの間にかよく使われるようになりましたが、その意味をきちんと説明できる人がどれだけいるのだろうかと思うほど定義が本当に曖昧です。
辞書が存在しない以上、僕も100%で断言は出来ませんが、メンズファッションにおける抜け感とは力が抜けている様という理解で概ね問題ないと思います。
緊張している人に、「肩の力を抜いて〜」「リラックスして〜」「いつも通りにね〜」などと声をかけてあげますが、要はあれと一緒で肩肘張っていない、リラックスしている状態ということです。
つまり抜け感を出すとは、わざと力を抜くということで、「外す」と同義になります。
もっと馴染みのある言葉でいうと「アレンジ」です。
では逆に抜け感がない状態とは何なのか、そもそも何故わざと力を抜く必要があるのかについて話していきます。
抜け感がない状態
セオリー通り
抜け感がないファッションとはどういうものかというと、大きく2つあります。
一つはセオリー通りの着こなし。
例えばこんな感じです。
- ジャケパンに革靴
- 靴下を履いて靴を履く
- アズーロエマローネの色合わせ
- ジャケットの色柄から色を拾う
程度の差はあれど「一般的にはこういう感じだろうな」とイメージすることができる決まりきった着こなしで、教科書通りとも言えます。
別に悪くないやんと思った方もいるでしょう。
確かに悪くない。けれど良くもないんです。
というのも教科書通りのファッションは整ってはいるんだけども、現実味がない時も少なくなく、それが逆に不自然さを生み出します。
例えば先程の「色柄を拾う」は、主体に使われている色を拾ってそれを全身のどこかに散りばめることでコーデの色合わせを整える常套手段です。が、完璧に拾い過ぎると綺麗ではあるけど、どこか説明書に沿ってやっているような堅い雰囲気が漂います。
自分の格好が垢抜けないと悩んでいる人は、大体これに当てはまります。
キメすぎ
抜け感がないファッションのもう一つはキメすぎ状態。
どういう意味かというと、力が抜けていないどころか、逆に入れすぎてコテコテのファッションになっているということです。
やってやろう、かっこよくキメてやろうと前のめりになり過ぎるあまり、スキがなさ過ぎる格好になってしまいます。
先ほどのセオリー通りの着こなしは良くはないものの悪くもないので、特に問題はないのですがキメすぎ状態は緊急事態。
なぜかというと、キメすぎファッションは本人だけが悪目立ちしてしまい、周りの空間や人間に馴染まず浮いてしまうからです。隣を歩かされる人はたまったもんじゃありません。
この記事でも話していますが、相手に不自然さや違和感を感じさせてしまうファッションは基本NGです。
誰しも何か特別なことをやってやろうと意気込むと、気負って力んでしまうもの。
普段通りのことしかできないはずなのに、普段以上のパフォーマンスを発揮しようとするあまり緊張してガチガチになってしまう。
不自然に映ってしまうのは当然ですよね。
特に40代以上の人は気をつけたいポイントです。
ここで軽くまとめ
抜け感を出すには力を抜く必要あるということで、これまでの話を力が抜けているかどうかを軸(力の量)にして一旦まとめました。
- 抜け感がある=力が抜けている(自然、お洒落)
- 抜け感がない①=力が抜けていない(お洒落ではないけどダサくもない)
- 抜け感がない②=力が入っている(不自然、ダサい)
抜け感のある人は言うまでもなく、お洒落です。
また抜け感がなくても力んでなければ特に問題ありません。
ですが力が入っている状態だけは避けたいので、一度客観的に自分を見てみる機会を作ってみましょう。自分では普通だと思っていても実はやりすぎているということが往々にしてあるものです。
こなれ感との違い
抜け感と似たような意味合いで、「こなれ感」という言葉が使われているのを聞いたことがあると思います。
ほぼ同じ意味合いで使って問題ないのですが、厳密に言えば、「抜け感があるから、こなれ感が出る」という因果関係にあります。
そもそも「こなれ感」とは熟れ感と書き、言い換えると成熟しているということです。百戦錬磨で経験豊富、かつ自然体でぎこちなさがありません。ファッションにおけるぎこちなさとは、もちろん堅さのこと。
セオリー通り、あるいはキメすぎた格好は堅いので、こなれ感が出ません。
ですが抜け感があると柔らかく自然な装いになり、結果こなれて見えるというわけです。
なぜ抜け感が必要なのかという問いに立ち返ると、お洒落なファッションを目指す際にこの「こなれ感」が求められるからに他なりません。
メディアでこなれ感、こなれ感と言葉が飛び交うのを見ると「もうええて〜」と正直ウザいと感じる人もいると思いますが、とはいえお洒落な人は必ず体得している要素なので、ファッション好きの方は目指してみてはいかがでしょうか。
抜け感を出すには?
力を抜くこと自体は難しくなく、セオリーと違うことをやればいいだけです。
先ほどの例を使えば以下のようになります。
- ジャケパンに革靴→スニーカー
- 靴下を履いて革靴を履く→素足履き
- アズーロエマローネの色合わせ→ブラウン×ブラックまたはネイビー×イエローとか
- ジャケットの色柄から色を拾う→拾わない、または拾い過ぎない
わざと外して自然を装うという、なんだかおかしなことをやっている気にさせられますが、手法としてはこんな感じです。
当たり前のようにやっていることから、そうでないことまで様々あるのですが、肝要なのは力を抜くことよりも、むしろ「基本をきちんと知っているかどうか」ということだったりします。
こなれ感を出す
こなれ感を出すには抜け感に加えて「基礎力」が必要になります。つまり基本、セオリーを知っているか、理解できているかどうかの軸です。
力の量をX軸、基礎力をY軸として座標平面に落とし込んでみました。
- 第一象限 こなれている、お洒落
- 第二象限 堅い、垢抜けない
- 第三象限 キメすぎ、ダサい
- 第四象限 違和感、ダサい
第一象限が最もいいゾーンでいわゆるお洒落さん。
第二象限はぎこちなさがあるものの、別に悪くはない。
第三象限は論外として、ここで注目したいのが第四象限の「違和感」です。
これはどういうことかというと、本人は抜け感を駆使してこなれ感を体現しているつもりなのですが、残念なことに周りからの共感を得られていない状態のことです。
なぜ共感が得られないかというと、座標平面にあるように基本が出来ていないから。
本来すべきはずの着こなしをよく分かっていない状態で力を抜くと、勝ちの方程式が機能せず、ちぐはぐな印象になります。
例えばなぜ素足履きをすると抜け感が出せるのかというと、本来靴を履く際には靴下が必要だからです。それをあえて靴下を用いないことで抜け感が出るということになるんですね。
当たり前のことなのですが、ここをすっとばしてしまうと、実は靴下を履いた方がいい場合にもかかわらず、素足履きをしてしまいます。
先程こなれ感は成熟状態と言いましたが、そこに到達するには土台である基礎がしっかりと備わっている必要があるのは言うまでもありません。
最近はメディアでも出来上がった抜け感ファッション、つまり結果だけが発信されがちで、その情報のみが視聴者、読者に伝わっている傾向にあります。
この伝え方には読者が手っ取り早く情報を取得できるメリットがありますが、本質的な理解、つまり基本の着こなしの理解をすっとばしているため、上澄みだけが伝わってしまい、応用が効かないという大きなデメリットが付いて回ります。
本来ならばこういうアイテムを持ってくるのがセオリーだけど、あえてこのアイテムを持ってくる。
本来ならばこの丈がセオリーなんだけど、あえてこの丈にする。
抜け感ファッションは時に「自由」という正義の言葉であるかのように解釈されています。
ですが「本来ならば〜なのだが、あえて〜にしてみる」という思考を展開していかないと、ちぐはぐとした違和感がある人になってしまう可能性があるので、ご注意ください。
まとめ
- 抜け感とは力が抜けて自然である様
- 抜け感がないとセオリー通り、またはキメすぎたファッションになり、不自然もしくは不調和となる
- 抜け感があると、こなれ感が出る
- こなれ感を出すには、大前提として基礎力が要る
「〜感」という表現は思ったことをすぐ言葉に出来て使い勝手がいいのですが、国語力が下がりそうでなんかこわいですね。