こんにちは、遊佐です。
皆さんは誰かにお願いごとをする時に、「~してください」「~はやめてください」という風に、ただお願いしているだけという状態になっていたりすることはありませんか?
気持ちが昂って、自分の言うことを聞かそうと思って半ば強引に事を進めて、全く効果がないということが往々にしてあると思います。
今回のブログは、このお願いごとをうまく聞いてもらうためのヒントになる話、イソップ童話「北風と太陽」を紹介していきます。
【マネジメント】北風と太陽の意味を考える
北風と太陽
ほとんどの方は幼少期に読んだことがあるのでしょうが、10代など若い方はもしかしたら知らないんじゃないかと思ったので簡単に話をしておきます。
北風と太陽が、ある勝負をします。
「歩いている旅人の服をどちらが先に脱がせられるか」
先行は北風。
冷たい風を吹きかけて旅人の服を強引に脱がそうとしますが、旅人は寒くて余計に服を抑え込んでしまい、失敗。
続いて後攻の太陽。
旅人を真上から照りつけ、汗だくになった旅人はたまらず服を脱いでしまいました。
太陽の勝利!
僕はこの話が大好きで、小さいころに何回も本を読み返していました。
このストーリーは、「人はよく北風になりがちだけど、太陽のように振舞うと事態が好転するかもしれませんよ?」というような解釈でビジネスの場で話されることが多いです。
つまり強引に指示するのではなくて、相手が自分の意思で能動的に動くように働きがけなさいということです。
ただこの「意思」というものほど信用できないものはないと思いませんか?
太陽の力をきちんと理解する
意思とは、「~するぞ!」というものですが、そんな意思を能動的に発揮できるとしたら、みんなきっと成功者です。
でも実際は全くもってそうじゃないですよね。
最初こそあった意思が、いつのまにかなくなっていたなんてよくあることで、3日坊主がその最たるもの。
今年は英語頑張るぞ、明日からダイエットするぞ、早起きするぞ・・・。
もうネタに困ることがないくらい、意思力の脆さを語れます。
なので、ここはやはり太陽がやっていることをきちんと理解しておく必要があります。
太陽がしたことを改めて見ていきましょう。
「太陽が照り付けたため、旅人は暑くなって脱いだ」
この「暑くなって脱いだ」という行動をもう少し紐解くと「暑くて脱がざるをえなくなった」となります。
「よし!脱ごう」
ではなく、
「あち~脱がないとやってられねえ!」
といった感じですね。
つまり旅人は脱ごうとしたんじゃなくて、脱がざるをえなかったんです。
旅人は最初は機嫌よく歩いていたんです。
まさか自分が数分後に、路上で脱衣ショーをおっぱじめるなんて夢にも思っていません。
それなのに北風と太陽が急に勝負を始めたせいで、別段脱ぎたくもないのに脱がざるをえなくなったんです。
つまり、やらざるをえない状況を作り出すことが太陽の力というわけです。
能動的にやってもらうよう鋼の意思に期待するよりも、ターゲットをやらざるを得ない状態にさせた方が、高い確率で自分のミッションを成功させられすはず。
北風も必要かも
ここまでの話だと「皆、太陽になろうぜ~」という風に終わりそうですが、そうとも言い切れないかも。
北風が効果的な時だってあるんじゃないのか?
というのも北風と太陽の話で、昔から一点だけ気になっていたことがあるんですよね。
それは、北風が旅人の服を脱がせられなかった理由。
北風の力が単に弱かっただけじゃないん?
つまりもっと強く吹いていれば、それこそ旅人を吹き飛ばすぐらいの風を吹いていれば、結果は違っていたかもしれない。
例えば~するのをやめて下さい(罰則なし) というのを通常の北風とすれば、~するのはやめて下さい。言う通りにしなければ逮捕します はより強い北風になります。
ここまで強い風を吹けば、旅人の服を脱がせていたかもしれない。
まとめ
さていかがでしたでしょうか。
それでは最後にまとめます。
北風と太陽の話を題材に、「本人がやりたくないことをやってもらう」に対する心構えについてお話ししてきました。
- 適宜状況を観察し、北風になるか太陽になるかのどちらかを選択することが肝要
- 太陽の力とは「やらざるをえない状況を作り出す」こと
- 北風の効果がないと判断する前に、より強力な北風になることを考える
それでは最後まで読んで頂きましてありがとうございます。