こんにちは、遊佐です。
普段ニットの話をしている時に、ハイゲージやローゲージといった言葉がよく出てくると思いますが、そもそもゲージって何だよと思ったことはありませんか?
なんとなくは分かるんだけど、実はよくわかっていない・・・という人は意外に多いのではないでしょうか。
そこで今回のブログでは、ゲージとはなんぞや?そしてゲージの種類について話していきたいと思います。
ゲージ、またはゲージの種類をきちんと理解できると、良いニットに出会えるようになりますよ。
- ゲージとは?
- おすすめのゲージは?
- 季節に合ったゲージとは?
- 良いニットが欲しい
【オススメはどれ?】ゲージの種類を理解するとニット選びが楽しくなる
ゲージとは?
ニットの厚みを指す時にハイゲージやミドルゲージといった言葉を使っていますが、厳密に言うとゲージとは編み目の大きさを表す単位です。
ハイゲージは編み目が細かい。ローゲージは編み目が粗い。ミドルゲージはその両者の間。
そして数値を使うことでさらに細かく分類することができます。
例えばハイゲージの枠だと12ゲージ、14ゲージ、17ゲージといった感じですね。
じゃあこの数字は一体何なのかというと、編み機に入っている針が1インチの間に何本並べられているかを表しています。
編み機はゲージごとに用意されており、それぞれに入っている針の数と大きさが異なります。
例えば12ゲージなら1インチの中に12本、14ゲージなら1インチの中に14本入っており、数が大きくなればなるほど、針がどんどん細くなっていきます。逆に5ゲージ機となると、1インチの中に針が5本になりますので、一つの針がごん太になるのが想像出来ると思います。
針が細いということは針に引っ掛ける糸も当然細くなりますので、編み目は細かくなり、出来上がる生地の厚みは薄くなるということです。
さて、ゲージを数値で見た時にニットの種類がたくさん存在することがわかりましたが、ニット選びの際には基本的にはハイゲージ、ミドルゲージ、ローゲージの大分類で問題ありません。
以上を踏まえて、改めて各ゲージの特徴を見ていきます。
ハイゲージ
ゲージ数 |
12ゲージ以上 |
---|---|
主な用途 |
インナー |
糸が細く、編み目が緻密なハイゲージニットは自然な光沢を放ち、ドレッシーな印象が出ますので、大人っぽいコーデを作る際に役立ちます。
生地が薄いので一枚で着るというよりは、写真のようにジャケットや軽アウターのインナーとして使うことが多くなりますね。
一枚で着てもいいのですが、その薄さゆえなんとも心もとない。
個人的にはなんだか下着で出歩いているような感覚にさえ陥ります。
ただデザインや着方によってはアウター要らずでこなせます。
ハイゲージONハイゲージ、すなわちアンサンブルで着るとジャケットやアウターなしでも着映えしますので、ぜひ試してみてください。
サイズ選びに関しはジャストサイズがオススメです。
体型を隠したい意図でワンサイズアップ、もしかしたらそれ以上を選ぶ方も少なくないですが、サイズアップさせることで体型に沿うはずだった綺麗なシルエットが崩れます。
当然、見た目がだらしなく映り、ハイゲージ特有のドレス感が台無しになります。
なので体型に沿わせた綺麗なシルエットを目指し、そのためにもまずは体型を整えましょう。
ただしボーダーなどのカジュアルなデザインはゆったり目のサイズ選びが必要だっだりしますので、適宜見極める必要はあります。
ミドルゲージ
ゲージ数 |
6ゲージ以上10ゲージ以下 |
---|---|
主な用途 |
インナー、アウター |
ミドルゲージは薄くもなく、分厚くもない、丁度いい厚みが持ち味。
一枚で着てサマになり、アウターはもちろんゲージ数によってはジャケットの下にも着られますので、汎用性が高いです。
見た目の印象はカジュアル。
ハイゲージに比べて糸が太くなり、かつ基本的に紡毛素材なので、光沢感が弱まります。
ですが中には梳毛仕上げや艶加工など、カジュアル感が抑えられたものもありますので、吟味して選んでみてください。
ミドルゲージはトレンド入りしていますので、多くのブランドがラインナップしてきており、我々消費者にとっては選択肢が多いです。
汎用性は高いと言ったものの、ハイゲージやローゲージを使った方がより映えるコーデが当然ありますので、その点はご留意下さい。
例えば綺麗目のジャケットスタイルには着膨れしないハイゲージがやはり似合います。
逆に一枚着としてはローゲージの方が存在感があって着映えします。
ローゲージ
ゲージ数 |
5ゲージ以下 |
---|---|
主な用途 |
インナー(※重衣料の)、アウター |
5ゲージ以下になってくると、編み目が大きく、そしてざっくりとした編み地になってきます。
よく記事で見かけるのが、「ローゲージニットはハイゲージと対比したときに光沢がなくてカジュアルだ」という内容ですが、一概にそんなことはありません。
光沢がないのは糸の太さも要因ですが、単に紡毛仕上げされているからで、梳毛仕上げのものを選ぶと糸が太いながらも光沢が出せます。
写真のものは同じゲージのニットですが、グレーは紡毛、黒とワインは梳毛です。同じローゲージでもまるで雰囲気が異なります。
ローゲージはかなり厚みがありますので、一枚で着るととても映えますし、インナーとしては重アウターやコートの中に着るのがオススメです。特にダッフルコートやPコートに使われるような肉厚メルトン生地とは特に相性のいいゲージですね。
逆に、ここでハイゲージを持ってくると生地の厚みが双方違い過ぎて、バランス的によくありません。合わせてはいけないということではないのですが、コーディネートにおいて大切な一体感に欠けます。
ローゲージニットをジャケットの下に着るのは基本的に難しいのですが、写真のようなツイードジャケットだけは唯一例外です。
何故ならツイードジャケットは、名前とは裏腹にアウターのカテゴリーに入るからです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
5ゲージはミドルゲージに入れられることもありますが、5ゲージ未満のニットが減っている今の流れでいえば、ローゲージ扱いでいいと思います。
ゲージと季節
ゲージの種類が一通り理解できたところで、今度は季節に照らし合わせてみましょう。
どの季節にどのゲージがオススメなのかということです。
薄い物は春夏、分厚いものは秋冬ということは、なんとなく分かると思いますが、ゲージ別で見ていきます。
ハイゲージである12ゲージ以上は季節を通して、つまり3シーズン使いやすいのでオススメです。
特に使い勝手がいいのが12ゲージ。春夏はコットン12ゲージ、秋冬はウール12ゲージといった具合に使い分けましょう。それに3、4月や9、10月といった季節の変わり目にも重宝しますね。
24ゲージ以上は春夏に向きます。
ミドルゲージである6ゲージ以上10ゲージ未満は秋冬向きです。春夏にもコットンを使ったミドルゲージが登場しますが、4、5月までに使用をとどめておきましょう。
ローゲージである5ゲージ以下は冬用に。別に秋に使ってもいいですが見た目の季節感を鑑みると、真冬に使うのがベターですね。
名作ゲージ
先ほどゲージの理解はロー、ミドル、ハイの大枠でいいと話しましたが、ニットブランドの中にはモデル名のバイネームとしてゲージ数が掲げられていることがあり、こういうモデルは名作と呼ばれていることが多いです。
ということで、その中でオススメを紹介したいと思います。
【24ゲージ】
24ゲージといえばジョンスメドレーの名が必ず挙がるほど、ブランドが得意としているゲージです。
24ゲージのいいところは、ハイゲージながらも肉のある厚みになっていること。つまりもう一つの名作30ゲージに比べてカジュアルな印象になります。
実際、24ゲージが使われるニットはカジュアルなデザインになっていますので、程よいドレス感、程よいカジュアル感を味わえる使い勝手のいいゲージと言えます。
また春夏にはシーアイランドコットンが使われますので、耐久性も抜群に良い点も見逃せません。
【12ゲージ】
12ゲージはハイゲージですが、ミドルゲージとの境目でもあり、やや肉厚なのが特徴です。ハイゲージは光沢感が持ち味だと話しましたが、その最たるもが先ほど紹介したジョンスメドレーの名作である24、30ゲージニットです。美しい光沢を放つのですが、如何せん生地の厚みが薄くて体のラインがもろに出るため、体型に自信のない方にとっては扱いが難しい。
そこでオススメなのが、グランサッソの12ゲージ。
ハイゲージの光沢感を持ちつつ程よく厚みがあるので、実用的なんですよね。
【8ゲージ】
個人的に最も使いやすいミドルゲージニットがドルモアの8ゲージです。
ミドルゲージは汎用性がニットだと話しましたが、中でも8ゲージはレンジのど真ん中に当たり、汎用性云々ではなく、もはや万能と言えます。
そしてドルモアに限って言えば、ミドルゲージではあまり見かけない光沢感を持ち合わせていますので、まさに多芸に秀でたオールラウンダーという感じですね。
カラーバリエーションがかなり豊富なので、好みの色を選べるのも魅力。
【5ゲージ】
最後に紹介するのが、ザノーネの5ゲージ。
だっちさんの記事を引用させていただきました。
5ゲージニット自体は色々なブランドで扱いがありますが、ザノーネはそれらの中でも筆頭と言っていいほど知名度があります。
厚みがしっかりとあり、頑丈な作り。そしてこのゲージでは珍しい光沢感を兼ね備えており、ドレスライクなローゲージニットになっています。
一枚着として存在感は圧倒的で、個人的にはインナーとして使うのがもったいないと感じるほど。
記事で紹介されているモックネックの他、カーディガン(CHIOTO)、クルーネック、タートルとラインナップが豊富なので、気に入ったモデルを選べるのもいいですね。
まとめ
- ゲージとは編み機の針が1インチの中に何本あるかを表している
- ミドルゲージは使い勝手が良いので、秋冬シーズンには必ず用意しておきたい
- 5ゲージ、8ゲージ、12ゲージ、24ゲージのニットはピンポイントで狙う価値がある
ゲージが理解できると、自分の持っているニットの編み目を見ただけで何ゲージなのかが大体わかるようになります。さて自分のあのニットは何ゲージ?