こんにちは、遊佐です。
皆さんは普段映画をよく観ますか?
僕は超人気タイトル以外は誰かの付き添いで観にいくことかほとんどで、習慣にはしていませんでした。
ですが最近移動中や合間の時間を使って、積極的に映画を観るようになり、過去作を色々あさっているところです。
きちんと観るようになって改めて分かったのは、映画はエンタメの勉強が出来るなということ。
感情を揺さぶられるから、この映画はどうやって人の心を動かしているのかを考えるんですよね。
人の心を動かすプロたちのワザを吸収して、エンタメ要素必須のSNS時代をうまく乗り切っていこうと思います。
そこで今回は「世界一キライなあなたに」の映画をご紹介。
壮大にネタバレしていますので、これから観ようと思っている方はここでいますぐにブログを閉じてくださいネ。
- ヒューマンドラマ系が好き
- 明るい女の子が好き
【感動?胸糞悪い?】感想真っ二つの映画「世界一キライなあたなに」を紹介
世界一キライなあなたに
「世界一キライなあなたに」は2016年に公開された米英合作の作品で、主演は共にイギリス俳優のエミリア・クラークとサム・クラフリンです。
安楽死を題材として扱っていますが、少しコメディ要素も入っているのでそこまで暗い内容ではありません。
多くの評論家から高い評価を受けましたが、デリケートなテーマだけに一定数の批判も集めました。
批判の詳細は後ほど記載しています。
あらすじ
イギリスの片田舎で家族と暮らすルイーザは、カフェで働く毎日を過ごすファッションが大好きな26歳の女の子。
もともと大学に行ってファッションの道に行きたいという夢があったのですが、家の経済的事情でその夢は遠いものとなり、人生の目標もなくしかけていました。
ある日突然カフェが閉店となり、新しい仕事を探すことになったのですが、中々見つかりません。
そんな時、なぜか半年間だけという期間限定で障害者介護の仕事が舞い込み、面接を突破して無事に就職します。
介護が必要な人はウィルという5歳年上の青年で大富豪。そして交通事故で四肢麻痺の状態になっていました。
初めはルイーザに対してカタく心を閉ざして冷たく当たっていたので、お互いの関係は最悪。ですがやがてルイーザの魅力に惹かれ心を開き始めます。
そしてルイーザもまた、いつのまにかウィルの魅力に惹かれていました。
そんな折、ウィルがスイスの自殺幇助機関「ディグニタス」にて自死を望んていることを耳にします。
ルイーザはウィルに生きて欲しいと願い、生きる楽しさを味わえるように色んな手を尽くします。
ウィルはルイーザと楽しそうに笑っていたので心に変化が見られたかと思いましたが、自死の決意が揺らぐことはなく、旅行先でルイーザに別れを告げます。
ルイーザは絶望し仕事を辞めてしまいますが、ウィルがスイスに向かった知らせを聞き、急ぎ追いかけることに。
そしてウィルの決意を受け入れ、最後の時間を一緒にすごします。
数週間の時がたち、ルイーザはフランスのカフェで手紙を読んでいました。
その手紙はウィルが生前残していたもので、ルイーザに対する愛に溢れた内容でしたた。
ルイーザが魅力的
エミリアクラークが演じるルイーザがとにかく魅力的。
元気で可愛らしく、人を楽しませる太陽みたいな女の子です。
劇中でウィルはルイーザを以下のように評し、心の支えにしていました。
「あたたかい笑顔、へんてこな服、下手くそなジョーク、思ったことを全部顔に出す」
あとこれは個人的に思ったのですが、ルイーザの眉毛がとてもキュート。
演者のエミリアクラークのクセなのかもしれないですが、感情に合わせて眉毛が派手に上がったり下がったり、あと「への字」に曲がったりとかなり忙しいんです。
眉毛どうなってんの??と、途中から眉毛にばかり目がいくようになってました。
結末への批判
冒頭でも話したように、この映画に対して感動したという意見もあれば、「とんでもない内容だ」という批判的な意見も多数上がっています。
その理由が結末。
ルイーザのおかげで、いわゆるハッピーエンドになるかと思いきや、ウィルは結局自死することを選び、ディグニタスで安楽死を迎えます。
自死を思いとどまっていたのは半年間待ってくれという親との約束を守るためで、心は既に決まっていたんです。
それほどまでにウィルの決意は固く、まわりの人はおろかルイーザでさえ変えられるものではありませんでした。
事故に合う前の人生は本当に楽しかった、最高だった。
ルイーザと一緒に生きる人生はきっといい人生にはなるが、思っていたものとは違い過ぎる。それは自分の人生ではない。
ウィルは四肢麻痺となった今と、最高に楽しかった昔とのギャップをどうしても受け入れられなかったんです。
この安楽死エンドに対して批判する人は
- 辛いから死ぬなんておかしい
- 四肢麻痺でも、目が見える、耳が聞こえる、話せる、考えられる。もっとつらい人は沢山いる
- 生きたくても生きられない人もいる
- 障害のある人を馬鹿にしている
また批判に対する批判として、
- 自分のものさしで測るな
- そもそも他人が口を出せる問題ではない
- 辛さは他人と比較するものではない
- 死をタブー視し過ぎている
この問題は死生観や宗教によって見方ががらっと変わるので、どうしても意見が真っ二つに分かれてしまうんですよね。
死を絶対的にタブーなものであると捉えていると批判的な立場になるし、死はタブーではあるが最後の希望でもあると捉えると安楽死、尊厳死に理解を示せる立場にもなれます。
また生きているとはそもそもどういうことなのかという根本的な問いに立ち返ると、答えはますます一つではなくなる。
もし自分が当事者になったらどんな考えを持つだろうか。
断言はできないけど、最後の決断は自分で選べるように、または選ばせてあげたいと思うかもしれないな。
ココがよかった
個人的に良かったと思うシーンがエンディングの一コマ。
ルイーザは子供の頃にミツバチのような縞々タイツをよく穿いていたのですが、成長してサイズが小さくなって大人用も売られていなかったので、以来穿けなくなっていました。
その話を聞いたウィルは、どういうルートかは分かりませんが大人用のミツバチタイツを入手してルイーザの誕生日にプレゼントします。
ただその後着用しているシーンがなく、もしかしてこのまま出てこないの?と思っていたら、ちゃんとエンディングで着用しているシーンが用意されていました。
エンディングでルイーザはウィルの言葉通り、故郷を出てフランスに渡り、とあるカフェでお茶をしているのですが、その服装に注目。
先程も話したようにルイーザの服装はよく言えばユニーク、悪くいえば奇抜なんですが、エンディングで最初上半身だけ映されたときの格好はこれまでとちがって清楚で洗練された感じになっているんです。
「あれ?ルイーザが大人っぽくなってる・・・?」と思いきやすぐ次のコマで全身が映り、ウィルにもらったミツバチタイツを穿いてました。
普通なら白シャツに紺のスカート、ピンヒールという極めて正統派なコーデにド派手なミツバチタイツを合わせるなんてことはありません。
この演出は、ルイーザが田舎でくすぶっていた頃の自身と決別し、次のステージに進んだことを表しています。
昔は大好きなミツバチタイツを履いていたけど、今は履けなくなっていた。でもまた履けるようになった。
この流れが、ルイーザの心境の変化とマッチしているようだと考察すると、思わずニヤッとしてしまいました。
ウィルの名言
ウィルはルイーザが片田舎でくすぶっているのを感じていました。
というのもウィルからみてルイーザには見所があったので、こんなところにいるのはもったいない、もっと広い世界に飛び出すべきだと進言するんです。
ウィルの進言に対してルイーザは今の生活が気に入っていると言いますが、ウィルはルイーザの才能や本当の気持ちを見抜いており、発破をかけます。
「満足するな、大胆に生きろ、自分を駆り立てろ、立ち止まるな」
「一度の人生、精一杯生きるのが人のつとめだ」
特にラストシーンの手紙に書かれていた「自分を駆り立てろ」を僕は気に入っています。
一度きりの人生、こうありたいなと共感しました。
相思相愛の陰で
愛の物語の陰で悲しい男がいたことを忘れてはいけない。
その男の名前はパトリック。ルイーザの彼氏・・・だった。
脳筋キャラのような人物で、ウィットに富んだセリフが光る聡明なウィルとの対比があからさまに描かれています。
ルイーザに誕生日プレゼントを渡すシーンでも見事に対比されてしまい、完全にピエロ。
さらにはルイーザをバックハグしながら気持ちよさそうに寝ている時も、ルイーザはウィルのことを考えている。
ちょっと扱いひど過ぎないか?w
ていうかこのキャラ必要??
見ようによってはルイーザがパトリックを捨ててウィルの元に行ってしまった感もするので、色んな意味で残念なキャラクターでした。
だがパトリックよ。オレは正直嫌いじゃない(笑)
まとめ
- ルイーザとウィルの会話が心地良い
- 死生観によってはエンディングが最悪の印象になる
- エミリアクラークが可愛い(特に眉毛)
やっぱり眉毛だよ。