こんにちは、遊佐です。
ファッション好きの方であれば、好んでやっているかもしれない革靴の素足履きスタイル。
SNSやファッションスナップでは高い頻度で見かけるスタイルなので、いつしかそれが当たり前のスタイルなんだと思うようになっているかもしれません。
でもちょっと待て。
本当に素足履きは大丈夫なのか?
それがデフォルトでいいのか?
実はダサいとか思われていないか?
今回はそのあたりについて話していこうと思います。
【実際どうなの】革靴の素足履きはダサいのか?
素足履き風
まず大前提として、素足履きは厳密には素足履き風です。
外からは素足で履いているように見えますが、ちゃんとシューズインソックスを履いています。
たまに裸足で履いて臭いとか大丈夫なん?とか聞いている人を見かけるので、念のために補足しておきます。
なぜ素足履きするのか?
表題に対する答えを先にお伝えしておくと、革靴の素足履きは全くダサくありません。
しかし何も考えずに素足履き一辺倒になるのは要注意です。
まず素足履きのメリットは「抜け感」を作れること。これに尽きます。
本来革靴を履く際には靴下をちゃんと履くというのが正統なわけですから、そこをあえて靴下を省略することで適度に力が抜けたリラックススタイルが生まれるわけです。
今では当たり前のように見かけるこの革靴の素足履きスタイルですが、ひと昔前までは少なくとも日本では考えられないようなスタイルでした。
ですがファッションのトレンドが世界、特にイタリアから入ってくるようになり、2010年代に入ってからは「素足履きの男達」が一気に増えていきます。
素足履きがこんなにも浸透した理由は、パンツのトレンドにあると思います。
2010年代はパンツ丈を短めに、特にノークッションに設定して着用するのがトレンドで、またそれに追随するようにイージーパンツやクロップド丈のパンツが世に出始めました。
そのようなパンツを着用するとくるぶしが露出するので素肌の面積が多くなり、その広い面積を靴下で覆うと、コーデが重く野暮ったくみえてしまうんですよね。
また裾幅が17センチという短さで設定されているスリムなパンツも多く、これまた靴下と相性がよくありませんでした。
なので素足履きは当時のパンツのトレンドに合っていたというか、この2つの要素で1セットというぐらい結びつきが強いものだったと考察できます。
じゃあ今は?
2010年代終盤ぐらいからパンツのトレンドが変わり始め、シルエットがスリムからゆるめフィットに変わっていくに連れて、パンツ丈にも変化が出てくるようになりました。
先述したようなノークッション丈よりもハーフクッションもしくはワンクッションで履くことがおすすめされるようになってきています。
こうなってくると、もはや素足履きをする必要がなくなるわけですが、素足履きがなくなることはないでしょう。
パンツには確かにトレンドはありますが、素足履き自体はトレンドではなくいわば定番なので、ダサい、古臭いといったことは一切ありません。
ですがスリムパンツ+八分丈+素足+革靴の組み合わせは、今の時代ではちょっと古くさく見えることもあるかなと思っています。
素足一辺倒の方にとっては受け入れ難い流れなのかもしれませんが、せっかくパンツのトレンドが変わってきているので、靴下を着用して革靴を履いてみようかなと考えてみるのもいいと思うんですよね。
僕自身、基本的に素足履きスタイルが好きなのですが、30代を進むうちにだんだんと靴下を着用することも増えてきました。
以前まで頑なに素足履きに拘っていたのが嘘みたいで、キッカケはやはり着用するパンツの種類が変わったことだと思います。
とはいえ夏場はさすがに素足履きが多くなりますが。
素足履きNG靴
素足履きといっても、どんな靴でもOKというわけではありません。
特に内羽根のドレス靴は基本的にNGです。
例えば革靴の中でも最もフォーマルなデザインである内羽根ストレートチップを履くときは必ず靴下を着用するようにしましょう。
セミブローグも避けたほうがいいです。
そもそもストレートチップやセミブローグは基本的にはスーツスタイルのようなタイドアップ時にしか使わないので、自ずと靴下を着用するとは思いますが。
ただし同じ内羽根でもフルブローグに関しては、その性質上カジュアル度が格段に高くなるので、素足履きと相性がいいです。
僕もチャーチのフルブローグである「チェットウィンド」をよくカジュアルスタイルで素足履きしていますよ。
注意点としては、フルブローグの中でも一際ドレス顔が強いデザインをしたものもあり、その見た目によってはカジュアル使いしにくかったりするので、やや無骨というかボリュームのあるデザインのものを選ぶようにしましょう。
そういう意味でもチャーチはおすすめです。
ドレス靴以外だと、ローファー、Uチップあたりが素足履きしやすくて使いやすいです。
クロケットのタッセルローファー「キャベンディッシュ」。
同じくクロケットのコインローファー「ボストン2」
ウェストンのUチップ「ゴルフ」
これらのデザイン以外だと、オールデンの990とかもおすすめですね。
スーツで素足スタイルをやっているショップ店員さんを見かけることもあると思いますが、あれはあくまでファッションの一環なのでビジネスの場に転用するのはくれぐれもお控えください。
マナーがある
素足履きが当たり前のようになっていても、中にはこのスタイルをよく思わない方もいらっしゃいます。
特に年配の男性の方で古典ファッションに詳しい人です。
この方達は革靴を履くときは靴下を着用するのが当たり前という意識を持っているので、彼らにとっては素足履きなんてありえない格好なんですよね。
例えばこういう方に食事に誘われたとしましょう。
あなたは日常的に素足履きをしています。そしてもしこの食事の際にもいつものように素足履きでのぞもうとしていたのなら、それはやめたほうがいいです。
僕が20代中頃の若かりしとき、同じシチュエーションで何も考えずに革靴素足履きスタイルで行くと、「革靴を履く時は靴下は履いたほうがいいよ」と注意を受けました。
その方は今でも時折同じことを言っています。
素足か靴下着用かのどっちが正解とかはないので素足履きを注意される筋合いはぶっちゃけないのですが、問題はそこではなく、素足履きスタイルがこの男性の方とご一緒する際に適していたかどうかでした。
食事に誘ってくれた方は年配でファッション、特に古典的なスタイルが好きという情報を事前になんとなくは分かっていたので、今思えば素足履きという抜け感のある格好は避けたほうが安パイで正統派スタイルの方が印象がいいはずだと考えるべきでした。
ファッションは自己主張するものでなく相手に合わせることが大事だと、今でこそ僕は思うので、素足履きが当たり前のようになっているとはいえ、一緒に過ごす相手に思いを馳せる意識は常にやっておくことをおすすめします。
女性の方が、デートでやってきた男性のはりきり過ぎた格好を見てドン引きしているのも全く同じ現象ですのでお気をつけて。意識高い格好で隣を歩かれると女性は困ります。
まとめ
- 革靴の素足履きは抜け感のあるファッションスタイルを作ることができる。
- ただし素足履き一辺倒になるのはちと考えもので、パンツの種類によっては靴下着用をオススメする。
- 革靴の中には素足履きに適さないものもあるので注意。
なんのために素足履きをやっているのかを考えることが大事なのかなと思います。