こんにちは、遊佐です。
どんな地域でも、ここだけは行っておいたほうがいい場所ってありますよね。
今回は富山県に来たら絶対に行って欲しいオススメスポットの記事を書いています。
それでは早速いきましょう。
かつて「世界一美しいスタバ」があると言われた富岩運河環水公園に行ってみよう(富山の名所)
富山のランドマーク
富岩運河環水公園(ふがんうんがかんすいこうえん)とは1997年に開園した富山の都市公園のことで、通称「環水公園」と呼ばれています。
昔使われていた富岩運河の船溜まり(停泊場所)を整備して造られており、水辺空間を大切にしている親水公園です。
富山といえば必ずその名があがってくる程の名所で、国内外問わず観顧客がとても多いですね。
運河は富山の玄関口といわれる岩瀬地区へと繋がっており、ゴールは富山港です。
それでは写真で公園内を少しご紹介いたします。
富山駅北から徒歩約10分の距離にあるのでアクセスは良好。
少し前までは地下道を通っていかなければ行けませんでしたが、現在は駅北出口が開通されたので、かなり行きやすくなりました。
ちなみに富山駅から環水公園までの道中に「みずはた」という酒屋さんがあるのですが、日本酒のラインナップが豊富なので超オススメです。おかみさんがとても気さくでいい方なので、お土産のお酒選びで困ったらきっとアドバイスをくれますよ。
そんな酒屋さんで買えるオススメのジェラートがあります。
【ジェラテリアヴォーチェ】
美味しいですよ~。
話が少し逸れました・・・次いきましょう!
美しい景観
環水公園の見所は全体の景観です。
写真にうつる双頭の展望塔とそれらを繋ぐ天門橋は環水公園のシンボルで、塔の頂上からは立山連峰が入る壮大な景色をご覧いただけます。
環水公園は昭和63年に始まった「都市MIRAI計画」の中核を成すランドマークで、過去に以下のような評価を受けています。
- 日本の歴史公園100選に選ばれる
- 第29回都市公園コンクール最高賞「国土交通大臣賞」を受賞
景観だけではなく遊歩道やスロープ、休憩所も整備されており、地元に住む様々な世代の方にとっての憩いの場所となっています。
スターバックス
環水公園の人気を支える理由の一つはスタバです。
2008年に環水公園にオープンしたスターバックスは同年、社内のストアデザイン最優秀賞を獲ったことで、「世界一美しいスターバックス」と呼ばれることになります。
以来たくさんの観光客がこのスターバックスを訪れており、常に賑わいを絶やすことはありません。
店内でゆっくりするのももちろんいいのですが、スターバックスを景観に入れながら外でカフェタイムというのもオススメですよ。
スターバックス富山環水公園店
営業時間:8時~22時半
定休日:不定休
TEL:076-439-2630
環水公園は今でこそ富山の観光スポットになりましたが、ここに到達するまでには大変な時間と努力を要してきました。
環水公園の原型である富岩運河は、以前はその名の通り運河としての本来の機能を果たしていたんです。
では富岩運河がいかにして都市公園に生まれ変わったのかについて、これからお話ししていきます。
富岩運河の歴史
治水工事
環水公園の歴史を振り返るには、まず明治時代まで遡らねばなりません。
富山県は昔、洪水被害に悩まされており治水工事は目下最優先の事業でした。
洪水被害の理由は大小無数の荒れた川で、その中でも「神通川」はその最たるもの。
富岩運河は神通川に対して平行に造られているのですが、この神通川はその昔は別の場所にありました。
昔の神通川は今みたいに直線ではなく富山駅を迂回するように蛇行した川だったので、洪水の被害が特に大きかったんです。
明治34年(1901年)にこの洪水被害を回避する為、西側の位置に新たに直線の川を作ることになりました。
この治水工事は「馳越線工事」と呼ばれております。
川中央に細い水路を作り、そこに流れる洪水の力を利用することで、少しずつ水路の幅を広げていこうとするものです。
大正10年(1921年)には、元の蛇行した川から新しく作った直線の川へと水の流れを完全に差し替えます。
運河の建設と荒廃
しかしこの馳越線工事はいくつかの問題を派生させました。
- 直線の川になったことで流速が増し、川の運航が困難になった
- 水のなくなった旧神通川が形通りのU字型の荒廃地となり、都市化開発の大きな邪魔になった
- 水路幅を広げるために利用した洪水によって、押し流された大量の土砂が河口港である東岩瀬港(現在の富山港)に溜まってしまい、船が入港出来なくなった
これらの問題を総合的に解決するために造られたのが富岩運河です。
運河を作ることで、1~3の問題は以下のように解決されます。
- →運航路が開かれたことで物流が活性化。それに伴い沿岸に工場を誘致することができ、富山北部一帯を一大工業地区とさせた
- →運河開削の残土を使って旧神通川を埋め立てし、新しい市街地用の場所とした。
- →長い交渉の末に神通川と東岩瀬港を完全に分離させる工事が実施され、土砂溜まりから逃れる。その結果、大きな船が停泊する港へ生まれ変わり、富岩運河沿岸の工業地区と共に発展をしていく
運河の建設は海上交通を可能にしたことで、富山北部に工業地区を形成し現在の富山の特徴といえる第二次産業の土台を作り上げたのです。
しかし富岩運河は、時代の流れに逆らうことは出来ませんでした。
昭和30年代の高度経済成長期に入ると、輸送手段の変化、水質汚染が重なって、運河としての機能が完全に停止します。
やがて使われなくなった富岩運河は荒廃していき、ついに埋め立てが検討され始めました。
新たな都市計画
しかし昭和59年に運河の埋め立てが見直されることになり、自治体の政策は運河を活かした新たな都市作りへと方向転換します。
そして翌年の昭和60年に建設省が創った「新都市拠点整備事業」を導入し、先に述べた富山MIRAI計画を開始。
富山MIRAI計画とは、21世紀における富山の新拠点作成計画です。
「MIRAI」の頭文字それぞれには意味があります。
- M→Multi-functions(複合機能性)
- I→Information(情報性)
- R→Rising(成長性)
- A→Amenity(快適性)
- I→International(国際性)
運河はこれからの富山にとっても大切なモノ。
この水辺は絶対に活かさなければならない。
この富山MIRAI計画は「多様性」というキーワードが重要になってくる将来を見据えた素晴らしいモノとなりました。
やがて現在の環水公園が出来上がり、富山駅北の再開発は今に至っています。
まとめ
- 富山の観光スポット
- 運河を中心とした美しい景観を誇る
- 「あの」スターバックスがある場所
- 治水事業に込められた汗と涙の結晶
- 新しい都市開発計画のシンボル
地元民の憩いの地であり人気観光地でもある環水公園は、富山を長く苦しめてきた洪水被害を克服しようとした治水工事から始まったのです。
富山県へまだ行ったことがないという方は、この環水公園をきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
ポートレート撮影の場所としても有効なので、カメラフリークの方も自慢のカメラを持って臨んでみて下さいませ。